東京・葛飾区は、JRの貨物支線である新金線の沿線で検討してきた新たな交通システムについて、事業化計画の策定を支援する業務委託の公募を始めました。公共交通による南北移動は、これまで主に路線バスに頼らざるを得ない状況が続いてきました。
南北移動はバス中心
葛飾区内にはJR総武線や常磐線、京成電鉄、北総鉄道など複数の鉄道路線が通っていますが、いずれも東西方向の移動を担う路線が中心です。公共交通による南北移動は路線バスに頼る状況が続いてきました。区はこうした交通構造を課題とし、区内拠点を結ぶ新たな移動手段の検討を重ねています。
新金線は、新小岩信号場付近と金町駅付近を結ぶ総武線の貨物支線です。総武線と常磐線を短絡する役割を担い、現在も貨物列車の運行が中心となっています。沿線には住宅地が広がる区間も多く、踏切付近では門型の鉄柱が等間隔に並ぶ様子が見られます。列車本数が少ない時間帯もあり、生活圏のすぐそばを貨物線が通る特徴的な風景が残っています。
葛飾区が検討している新たな交通システムは、BRT(バス高速輸送システム)の手法を取り入れたものです。専用道路の整備を前提に、BRTの考え方を応用しながら、シンボル性のある車両や駅施設の整備を検討します。あわせて、自動運転技術やクリーンエネルギーの活用なども視野に入れ、次世代型の新たな交通システムの構築を目指すとしています。
今回の公募では、構想を示す段階から進み、開業までの工程や必要な手続きを整理することが求められています。
対象区域は葛飾区東新小岩一丁目付近から東金町一丁目付近までで、履行期間は2026年4月上旬から2028年3月31日まで。業務の提案限度価格は、2カ年合計で2億967万1000円です。
受付期間は2026年1月30日まで。開業時期は今後の検討や各種手続きの進捗によって左右されます。用地や施工条件の整理、環境面への対応、安全対策、駅周辺の動線設計、既存道路交通との調整など、解決すべき課題は少なくありません。
新金線沿線には住宅地が広がり、柴又エリアなどの観光地もあります。南北移動の不便解消に向け、新金線の旅客化や新交通システム構想の行方に注目が集まります。
(画像:葛飾区)
鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)



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