タイ工業連盟(FTI)は、米国政府がタイの対米輸出品に36%の相互関税を課したことで、タイは約9000億バーツを損失すると推計している。特に深刻な影響を受けるのは、自動車や食品など7業界だとしている。


ルンテープ・トゥラキットなどの報道によると、FTIのクリエングライ会長は、自動車、食品、プラスチック、化学、機械、繊維、鉄鋼、アルミ、電子機器などの産業が大きな打撃を受けると述べた。

自動車産業は3月から、25%の関税に直面しており、相互関税36%が適用された場合、自動車メーカー、特にオートバイメーカーは生産拠点をタイから移転する可能性があると述べた。

食品産業は、加工食品や魚介類など現在は免除されている税率が36%に上昇するため、タイの競争力が低下すると指摘した。

現在は約20億ドル相当の米国向け化学製品の輸出は減少する可能性があり、繊維産業はコスト増加のため、米国のバイヤーがタイ製品を拒否する可能性があると述べた。

プラスチック産業は生産コストが上昇する可能性があり、市場シェアを失う恐れがある。機械は対米輸出が45億ドルから17億ドルまで減少。鉄鋼・アルミニウムも輸出コストが上昇し、受注が減少する可能性がある。

一方、履物産業は利益を得る可能がある。競合国のベトナムやカンボジアはより高い関税を課せられるため、タイ製品の競争力が高まる見込み。

同会長はタイ政府に対し、トウモロコシやマグロ、肉類などの米国製品に対する輸入関税を削減するため、米国政府との交渉を加速させるよう提案。ハードディスクや太陽電池など、タイ製品の原産地証明書の発行を検討するよう述べた。

さらに、タイ政府は知的財産権の侵害や、タイへの安価な製品の流入に真剣に取り組むべきだと指摘した。

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