タイでは「人生は良好であり、これからも良好」と感じる人が多い一方、日本では「人生は良くないし、良くなることはない」と感じている人が多い−。そんな実態が世論調査会社イプソス(東京都港区)の調査で明らかになった。


同社によると、2024年12月20日~2025年1月3日、日本を含む世界30カ国2万3765人を対象に「イプソス幸福感調査2025」を実施。「幸せである」と回答した日本人は60%で、30カ国平均の71%を下回った。昨年の調査時からは微増(昨年57%)したが、大きな変化は無かった。

タイで「幸せである」と回答したのは78%だった。幸せだと感じる要因は、「経済的な状況」「仕事」の項目で、タイが30カ国中最高となった。

日本人が「幸せである」と感じる要因の1位は「家族との関係(41%)」。「幸せではない」と感じる要因の1位は「経済的な状況(64%)」だった。さらに、「現在の生活の質がとても高い」「5年後には全体的な生活の質は今よりも良くなっていると思う」と答えた日本人の割合は、どちらも30カ国中最下位。現状への満足度が低いだけでなく、将来に対する期待感も他国より著しく低いことが分かった。

同社代表取締役社長の内田俊一氏は、「経済的に苦しいと感じることが、幸福感に大きな影響を与えている。一方で、家族や地域社会の結びつきが弱い時代だからこそ、身近な人との良好な関係性や感謝、愛を感じる価値観が広がれば、日本人の幸福度も向上する可能性がある」としている。

編集部おすすめ