トランプ米大統領は23日、自身のSNSでイスラエルとイランが「全面的な停戦」に合意したと投稿したが、停戦発効前の24日、イランがイスラエルに向けてミサイルを発射するなど、停戦の先行きは不透明だ。タイの輸出業は、イランがホルムズ海峡を封鎖した場合、石油や肥料の輸入コストが確実に上昇すると懸念している。
クルンテープ・トゥラキットの報道によると、タイ全国荷主協議会(TNSC)のコングリット事務局長は、イランが海峡を封鎖した場合、主要港であるジャベル・アリやドーハ、ダンマンなどへアクセス不能になる可能性が高く、地域の海運網全体に影響すると述べた。
2024年の中東地域への輸出割合は、タイの全輸出の3.5%。一方、中東からは原油と肥料など9.27%以上を輸入している。
今年1~5月のタイの原油輸入は、UAEから41.09%、サウジアラビアから12.04%、カタールから3.35%で、3カ国で56.48%を占めた。さらに同期間の肥料輸入は42.37%で、サウジアラビア27.71%、カタール3.67%、ヨルダン3.48%、オマーン3.41%、バーレン2.3%。海峡が閉鎖された場合、タイの農業に影響し、農業コストの上昇や販売価格への転嫁の恐れがある。
コングリット事務局長は、原油在庫の補充・増強のため、他の購入源を迅速に確保する必要があると述べた。
またプラサート外務大臣は、事態の重大さを考慮すると、イランが海峡を封鎖するのは極めて困難だと指摘。またタイは現在、60日分の緊急エネルギー備蓄を保有していると述べた。