タイの最大野党、人民党(プラチャーチョン党)は3日、新首相にタイ誇り党のアヌティン・チャーンウィーラクーン党首を支持すると発表した。与党タイ貢献党のプームタム・ウェーチャヤチャイ暫定首相は、議会解散の動きを見せて対抗している。


現地報道によると、人民党のナッタポン・ルアンパンヤーウット党首は、条件付きでアヌティン氏を支持すると発表。アヌティン氏は条件を受け入れ、人民党との合意文書に署名。早期に連立政権を樹立する意向を示した。

人民党が提示した5条件は以下の通り。

:新政権は4カ月以内に下院を解散し、総選挙を実施する。

:憲法改正に関する国民投票を総選挙までに実施する。

:憲法裁判所が国民投票を不要と判断した場合、新内閣は人民党と協力して憲法改正を迅速に進める。

:タイ誇り党は多数派政権樹立の策略を控える。

:人民党は野党として新政権を厳しく監視する。大臣職には就かない。

一方、プームタム暫定首相は2日夜、下院解散の承認を国王に求め、手続きを進めると宣言。タイ貢献党法務部は、プームタム氏に下院解散の権限があるとしているが、タイ誇り党法務部はプームタム氏に権限は無いと主張。

同氏を刑法第157条(公務員職権乱用罪)違反で警察に告訴した。

人民党は2023年の総選挙で勝利。下院に143議員を擁するが、政権樹立に至らず最大野党となった。次期首相の選出には、下院議員492人中247人の支持が必要。タイ誇り党は69人、人民党は143人で、合計212人。

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