タイ下院は5日午後、ペートンターン・シナワット前首相が憲法裁判所の首相職停止判決で失職したことを受け、タイ誇り党のアヌティン・チャーンウィーラクーン党首(58歳)を32人目の首相に選出した。
現地報道によると、アヌティン氏は311票、チャイカセム氏(タイ貢献党)は152票、棄権27票。
下院では5日午後12時過ぎ、タイ誇り党がアヌティン党首を首相候補に指名。タイ貢献党はチャイカセム・ニティシリ氏を指名した。
各陣営はそれぞれ1時間ずつ主張を表明。午後3時に投票が始まり、議員はアルファベット順に賛成・反対・棄権のいずれかを投票。機械トラブルで一時投票が中断したが、復旧後に続行した。
アヌティン氏は、下院で143議席を占める最大野党、人民党の支持を取り付け、勝利を確実にした。人民党は支持の条件として、4カ月以内の議会解散を求めているため、今後のアヌティン氏の動向が注目される。
アヌティン氏はこれまで、副首相、内務大臣、保健大臣を歴任。2022年には公約の大麻合法化を果たしている。ペートンターン政権発足時、タイ誇り党はタイ貢献党の連立政権に参加。だが隣国カンボジアとの国境紛争が発生し、ペートンターン氏の行動に異議を唱え、今夏に政権を離脱した。
人民党は2023年の総選挙で勝利。