タイのナタポン・ナルクパニット国防大臣代行は、タイとカンボジアが重火器の撤去と地雷除去、カンボジアを拠点とする詐欺の撲滅、国境の部分的開放で合意したと発表した。10日にカンボジア・ココン州で開催した両国の一般国境委員会(GBC)会合で合意した。


プラチャーチャート・トゥラキットなどの報道によると、会合ではナタポン国防相代行とカンボジアのティー・セイハ国防相が共同議長を務めた。

両国の国境委員会事務局は、3週間以内に武器撤退の行動計画を協議。指定した期限内に、国境地域から重火器と軍事装備を通常の基地まで撤退させる予定。

また、1週間以内に両国の調整委員会を設置。地雷除去計画を策定し、1カ月以内に試験地域を指定する。

インターネットによる犯罪・詐欺の取り締まりに向け、両国の当局は1週間以内に作業部会を設置。共同行動計画を策定する予定。タイ当局は、カンボジアの詐欺拠点60カ所のデータをカンボジア側へ提供。警察関係者が16日にサケーオ県で会合を開き、今後の対応を協議する。

定住カンボジア難民を巡り領土紛争が発生しているサケーオ県コークスーン群バーンノーンチャーン村については、GBCが解決策を策定する。当面はサケーオ県知事とカンボジアのバンテイメンチェイ州知事が共同で村の秩序維持に当たる。ナタポン国防相代行は「共同管理モデルが成功すれば、同様の問題を抱える他地域にも適用できる」と話した。

国境貿易を救済するため、チャンタブリー県とトラート県の国境検問所の再開を目指す。

次回のGBC会合は30日後にタイで開催する予定。

またナタポン国防相代行は、国境緊張を管理するゾーン別のアプローチを説明。最も緊張度が高いゾーン1は、第2軍管区担当のウボンラーチャターニー県、シーサケート県、スリン県、ブリーラム県。中程度の緊張のゾーン2は、第1軍管区担当のサケーオ県。緊張度の低いゾーン3は、チャンタブリー県とトラート県。ゾーン3から緩和措置を実施する予定。

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