タイ中央銀行(BOT)は、詐欺被害者の資金回収に向け、犯罪で得た収益の資金洗浄のために利用するミュール口座に関連した送金の捜査を拡大している。8月以降、BOTは疑わしい口座の一斉凍結を実施。
カオソッドなどの報道によると、BOTは、ミュール口座捜査の影響で停止措置を受けた口座の金融取引の解除を急いでいる。BOTの決済システム政策・金融保護部門のダラニー・セジュ副総裁は、ミュール口座と正規口座をより適切に区別し、国民が通常通り送金できるよう業務プロセスを改善していると述べた。
一方、デジタル経済社会省(DE)のウィシット次官は、14日にオンライン犯罪対策センター(AOC)に寄せられた苦情約1300件のうち、身元を確認できたのは300件だったと報告。300件をさらに調査した結果、詐欺と無関係だと確認して凍結措置を解除したのは30件で、残り270件は詐欺用の口座だったという。
ウィシット次官は、従来3日~7日間かけている調査のための口座凍結解除措置を、最大4時間に短縮しているため、凍結解除を狙う詐欺師が苦情を申し立てた疑いがあると話した。