タイ南部クラビー県のプライプラヤー病院は18日、心臓疾患で入院していた患者を治療のため別の病院へ緊急搬送しようとしたところをピックアップトラックが妨害し、患者の搬送が遅れたと声明を発表した。患者は病院へ搬送されたが、死亡した。


マティチョンの報道によると、患者は16日、心臓疾患で同病院に入院。同23時10分、容体が急変したため、より高度な治療能力を持つクラビー病院に移送することになったという。

同23時15分、患者を搬送するための救急車の後ろにピックアップトラックが停車し、めまいを訴える69歳女性を治療するよう女性の息子である男が要求。医療スタッフは、重症患者の転院準備中のためベッドで待機するよう伝え、看護師が女性の病歴を尋ねるなど対応していたが、男は「スタッフが母親の対応をしない」と大声で不満を言い続けた。

一方、重症患者の娘は地面に座って泣きながら、ピックアップトラックを移動するよう男に懇願。だが男は大声で騒いで聞き入れず、しばらく揉めた後にようやく車両を移動した。

重症患者はクラビー病院へ搬送されたが、対応が遅れて死亡した。一方、男の母親は治療を受け、薬を処方されて帰宅した。

また、搬送を妨害した男はチャロン・パカポン・フーズの従業員だと判明。同社は公式フェイスブックで、事件を調査した結果、男の行動が組織のルールに反していたと判断し、解雇すると発表した。

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