カンボジア政府が、タイ東部サケーオ県のバン・クローンルック国境検問所を経由したタイ人の帰国を承認せず、カンボジアに滞在するタイ人労働者約3000～7000人が足止めされている。

公共放送PBSなどの報道によると、タイ・カンボジア国境調整事務所は11日、同検問所でタイ国民の帰国手続きを進めているが、カンボジア側が承認していないと説明。

承認しない理由も明かされていないという。

タイ人労働者の親族によると、カンボジア当局は、検問所付近で待機していたタイ人にカンボジア側へ戻るよう命令。拒否した者は人質として拘束すると警告したという。写真や動画の撮影を禁じ、撮影する素振りをした人の携帯電話を没収したため、タイで待つ家族の間で深刻な懸念が生じている。

タイ治安部隊は、戒厳令下の権限を行使し、治安維持のために10日からカンボジア人を強制帰国させているが、カンボジア側の対応を受け、帰国を一旦保留。検問所で待機していたカンボジア人は帰宅した。

タイ治安部隊は、カンボジア人の強制帰国について、軍事スパイを目的としたカンボジア人の侵入事件を受けた措置だと説明した。

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