粕谷秀樹のメッタ斬り 007
ドイツ代表の指揮官を務めるレーヴ監督 photo/Getty Images
自身の立場を考えた発言を
「恥を知れっ!」(フロレンティーノ・ペレス会長/レアル・マドリード)
「今後、ジェローム・ボアテング、マッツ・フンメルス、トーマス・ミュラーは招集しない」(ヨアヒム・レーヴ監督/ドイツ代表)
「選手たちの精神的な問題を克服する術を私は持っていない」(マウリツィオ・サッリ監督/チェルシー)
「このチームがタイトルを獲るまで5年……いや10年はかかるかもしれない」(マウリシオ・ポチェッティーノ監督/トッテナム)
お偉いさんたちの舌禍が相次いでいる。もう少し、自分のポジションをわきまえないとダメじゃん。
まして近ごろは、SNSで脚色されるケースも少なくないでしょ。会長や監督のコメントが、本来の内容とは完全に違う形で伝えられていくリスクまで増大している。「発言が捻じ曲げられた」と抵抗しても、面白がって他人様を貶めたり、欲求不満のはけ口にしたりする輩には通用しない。ネガティブな内容はなおさらで、彼らにとってはおいしい材料なんだよね。
マンチェスター・シティの指揮官を務めるグアルディオラ監督 photo/Getty Images
サッカー界でも問題視されているSNS
マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督も、SNSに注意を喚起している。
「どこの誰だか分からない者が噂話としてつぶやいた内容に、大手のメディアが飛びついてどうするんだ!?」
「ユヴェントスの監督に就任か」というありもしない話を大々的に取り上げたメディアに閉口していた。監督や選手のなりすまし、自称友人、自称両親など、イカレた連中が発信する悪意に基づく情報には、十分すぎるほど警戒しなくちゃいけないんだな。
グアルディオラ監督は、つぶやいてばかりいたバンジャマン・メンディに厳重注意したし、ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)のツィートが、ジョゼ・モウリーニョ解任を歓迎するような内容だったために物議を醸した。
使い方さえ間違わなければ、SNSは情報伝達ツールとしてとても優れている。ただし、悪意が優先されると、匿名性が悪用されると、大事件を引き起こしかねないってことだけは、日本でも問題になっている不適切投稿でも明らかだ。送信ボタンを押す前に、常識と向き合わなくちゃね。
文/粕谷秀樹
サッカージャーナリスト。特にプレミアリーグ関連情報には精通している。試合中継やテレビ番組での解説者としてもお馴染みで、独特の視点で繰り出される選手、チームへの評価と切れ味鋭い意見は特筆ものである。

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