今季はセビージャが楽しみ photo/Getty Images
スマートに補強続ける危険な集団
フレンキー・デ・ヨング、アントワーヌ・グリーズマンを加えたバルセロナ、エデン・アザールやルカ・ヨビッチを獲得して改革へ動くレアル・マドリード、主力数名が退団したが、ジョアン・フェリックスを1億2600万ユーロで獲得するなど精力的な動きを見せるアトレティコ・マドリードと、リーガ・エスパニョーラで毎年のように上位を争ってきた3クラブは市場でも大きな注目を集める。
しかし、リーガで面白いのは彼らだけではない。
それでも新戦力の顔ぶれは非常に豪華だ。最終ラインではフランスのFCナントで主力を張ってきた26歳センターバックのディエゴ・カルロスを1500万ユーロで獲得。さらにフランスの世代別代表にも選ばれてきた注目の20歳DFジュール・クンデをボルドーから早々に2500万ユーロで引き抜いている。この2500万ユーロという金額はセビージャ史上最高額の移籍金だが、それでも近年の傾向から見ると驚くような金額ではない。
サイドバックではレアル・マドリードで昨季プチブレイクを果たした22歳のセルヒオ・レギロンを1年のレンタルで獲得。リーガでレギロンの力が通用することは証明されており、攻守両面において安定したパフォーマンスが期待できる。
中盤ではアーセナルも興味を示していたとされる24歳のジョアン・ジョルダンを1400万ユーロでエイバルから獲得。
さらにFCポルトから若い頃より天才MFと言われてきたオリベル・トーレスも獲得している。残念ながらアトレティコ・マドリードでは成功できなかったが、ポルトでは主力として活躍してきた創造性豊かなMFだ。ポルトでプレイしていた際には最優秀若手選手賞を獲得したこともあり、テクニックは申し分ない。
そんなテクニシャンなジョルダンやオリベルとは正反対の選手も獲得している。マンチェスター・シティでプレイした経験も持っているブラジル人MFフェルナンドだ。センターバックもこなせるフェルナンドはハードに相手を潰せる選手で、守備的MFとして経験は十分だ。ここまでセビージャは20代の選手を獲得してきており、フェルナンドは数少ない30代プレイヤーだ。若手を統率するベテランらしい振る舞いにも期待が持てる。
そして最も面白いのが前線だ。財政難に陥るフランスのマルセイユから、サイドからの仕掛けを得意とするルーカス・オカンポスを僅か1500万ユーロで獲得。
センターフォワードでは、今年の冬に南野拓実と同僚のザルツブルクFWムナス・ダブール獲得をすでに決めていた。ダブールは今夏からチームに合流するのだが、オーストリアでは手がつけられない点取り屋だった。2017-18、2018-19シーズンと続けてリーグ得点王を獲得しており、スイスのグラスホッパーでプレイしていた2015-16シーズンにはスイス国内リーグでも得点王を獲得している。セビージャはダブールを1500万ユーロで引き抜いており、その得点力が欧州五大リーグで通用するのか証明する時だ。
さらに得点王獲得は続く。昨季オランダのPSVで28得点を挙げ、アヤックスのドゥシャン・タディッチと並んで得点王のタイトルを手にしたFWルーク・デ・ヨングも1250万ユーロで獲得している。エールディヴィジでは2017-18、2018-19シーズンと続けてベストイレブンにも選ばれており、こちらも得点量産が期待できる。ダブール、デ・ヨングの得点王コンビは新生セビージャの目玉となるだろう。
指揮官のことも忘れてはならない。今季からチームを指揮するのはフレン・ロペテギだ。
昨季のセビージャは5位に終わったが、今季は思い切ってトップ3を目指したい。バルセロナとレアルは相変わらず強力だが、主力の入れ替えが激しいアトレティコがいきなり機能するかは分からない。セビージャや昨季4位に入ったバレンシアなど、第2集団にもチャンスはあるはずだ。今季はバルセロナとレアルの優勝争いだけでなく、的確な補強で不気味な集団となりつつあるセビージャにも注目してみてはいかがだろうか
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