ようやく再開したJリーグ。J1は各地で第2節が行われた photo/Getty Images
公式戦4連敗の鹿島に高卒ルーキーがもたらした光明
約4か月の中断期間を経て7月4日にJ1が再開し、等々力競技場では川崎×鹿島が開催された。
この敗戦で公式戦4連敗となった鹿島だが、今シーズンはザーゴ新監督を迎えてチームを再構築中で、まだ真の実力をみせていない。「チームとしても自分としても、もっとできるという感覚がある。だから、準備してきたものは発揮できなかったが、試合後のロッカールームの雰囲気は暗くなかった。『次もやろうぜ』という感じだった。後半はボールをまわして押し込んでいる時間もあったので、悪いことばかりではなかった」と試合後に語ったのは経験豊富な内田篤人である。
鹿島にとって痛かったのは立ち上がり2分の失点で、これによって普段の力を出せなくなったという。VARがあればオフサイドで取り消しになった可能性が高いゴールで、「あの失点で緊張感が過度なものとなり、普段のプレイができなくなってしまった」(ザーゴ監督)という展開に。内田篤人も「中断期間の練習試合ではセットプレイから失点していなかったので、ああいうカタチで失点したのはガクッときた。監督が代わり、新しいことにトライしているなかあそこで躓いたのは大きかった」と振り返っている。
ただ、後半になって鹿島はボールを支配し、自分たちのリズムで試合を進めた。
85分、遠藤康からの絶妙なパスを受けた永戸勝也が左サイドでフリーとなり、ゴール前にクロスを入れる。ここに走り込んだのが染野唯月で、落ち着いて右足でフィニッシュしたが、惜しくもボールはゴールバーを直撃した。続く87分にも右サイドから斜めに走ってタテパスを受け、最終ラインの裏に抜け出してペナルティエリア内に進入した。しかし、追走してきた谷口彰悟と接触して倒れ、フィニッシュするに至らなかった。どちらもゴールにつながらなかったが、十分にポテンシャルが発揮されたシーンだった。
「(ゴールバー直撃のシュートは)FWとして決めないといけませんでした。チームを助けられなかったし、良い方向に導くこともできませんでした。(谷口と接触したシーンは)ちょっと身体があたったので倒れてしまった。
第2節を終えて18位に沈んでいる鹿島だが、時間帯によってはやはり不気味な雰囲気を漂わせていた。当たり前だが、現在の順位は、現在の順位に過ぎない。ザーゴ新監督のもと、いったいどんなチームに仕上がっていくのか……。鹿島にとって今後に向けた光明となる染野唯月のパフォーマンスだった。
取材・文/飯塚健司
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