退任が発表されたフィンク監督(左) photo/Getty Images
フィンク前監督退任後の初試合
「私は家族の下に戻るという決断をしました」
退任にあたってフィンク『前』監督の言葉だ。在任中、彼はこのコロナ禍で、長いこと家族に会えていないから寂しいと話していた。
いずれにせよ神戸というチームについてまわる、負のイメージの払拭は更に遠いものになった。なんといっても4年連続で監督が途中交代。事実上の解任といわれる『退任』という言葉を何度も使ってきたという前歴もある。フィンク監督が解任か退任かは些末なことに過ぎず、今回も同じことが繰り返されたということだ。24日に三浦スポーツディレクターの監督就任が発表されたが、指揮官の交代がプラスの効果を生むのかはまったくの未知数である。むしろ監督経験のない新任の指揮官に、多くを望むのは酷な話である。
チームにとって異常事態にある中でおこなわれた神戸対鳥栖。試合は激しいゴールの奪い合いとなり、結果的にホームの神戸が7月以来となる4-3の勝利をおさめた。
「まずは勝つことができて大変満足している。
乱戦を制して白星を手にしたことにホッと一息といったところだろう。もしこの試合に敗れていたとしたら、現状では禁止されていると分かっていながら、それでもサポーターはブーイングで怒りを表現したに違いない。白星が最高の火消しになったということだろう。
実際に神戸に大きな変化があったとすれば、それは守備を3バックから4バックに変えたことだ。ただしその変更がゲームの中で優位性を作り出したかは疑問だ。実際に次節から指揮を執るのは三浦監督である。高々と宣言した『バルサ化』も、今はひっそりという形になってしまっただけに、チームというより、クラブとして取り組もうとしているボールを握り続けるサッカーをどうチームに根付かせていくのかが問われる。同時にこのゲームだけを見て、今後の神戸がこうなると断言できる要素は非常に乏しかった。
一方の鳥栖は
「4点取られるとなかなか試合は勝てない」(金明輝監督)
という言葉に象徴される。ゲームを拮抗したものにすべく、何度も追いすがったが力尽きた形だ。
「前回の横浜Mの試合も、今回の神戸も、押し込む時間は増えてはいるが、それゆえに守備の奪われた後のポジショニングだったり、奪われ方だったり、そういうところで少し差が出たのかなと考えている」
僅かな違いが、結果を大きく左右する。
取材・文/吉村憲文

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