CSKAモスクワ時代の本田 photo/Getty Images
もっと違うキャリアになっていた可能性も
ロシアでの生活が長すぎたのではないか。MF本田圭佑のキャリアを語るうえで、議論のポイントとなるのが2010年1月に決断したCSKAモスクワへの移籍だ。
本田はオランダのVVVフェンロで結果を残し、着々と評価を伸ばしていた中でロシア行きを選んだ。CSKAモスクワも欧州カップ戦に出場する強豪ではあったが、本田はロシアの地に4年間も留まることになった。ラツィオなどからの関心も噂されたが、ロシアからの脱出は想像以上に難しかったのだ。
この2010年代前半は、本田と同じようにロシア生活が長すぎるのではと思わされる選手が他にもいた。例えば本田と同い年で、川崎フロンターレ、コンサドーレ札幌、東京ヴェルディでもプレイした元ブラジル代表FWフッキだ。

ゼニトでプレイしたフッキ photo/Getty Images
フッキのパワーを5大リーグで見たかった
フッキといえば世界屈指のパワーを持つアタッカーで、その左足の威力は元ブラジル代表FWアドリアーノを思わせるものがある。2014ブラジルワールドカップにも出場するなど、高い実力の持ち主であることは間違いない。
しかし、フッキは1度も欧州5大リーグでプレイしたことがない。フッキは2008年に東京ヴェルディからポルトガルの名門FCポルトへ移籍し、そこでも2010-11シーズンにリーグ戦23得点を挙げるなど大ブレイク。続く2011-12シーズンにもリーグ戦16得点を記録しており、欧州5大リーグでプレイする準備は整っていたはず。
ところが、フッキが選択したのはロシア行きだった。2012年にはゼニトへ移籍し、そこで4年間プレイすることになった。
フッキは今冬にも欧州5大リーグ挑戦が噂されたが、結局はブラジルのアトレティコ・ミネイロへ移籍。34歳という年齢を考えると、もう欧州5大リーグでプレイするのは難しいかもしれない。2012年にはチェルシー移籍案も浮上していたが、あの時ロシア行きを選択していなければ一回りビッグなプレイヤーに成長していた可能性もある。やや惜しい選択だったのは間違いない。
ヴィツェルの場合は中国移籍を挟んでドイツのドルトムントへ移籍したが、ロシアと中国で過ごした6年という時間は長すぎる。この3人はロシアでもスタープレイヤーとなっていたが、欧州5大リーグでのプレイにこだわっていればキャリアは変わったのか。