選手、監督ともに契約に影響
就任以来、好調なチェルシーのトゥヘル監督 photo/Getty Images
欧州リーグにおける冬の移籍市場がクローズしました。新型コロナウイルス感染症による各クラブの経済損失は、選手補強にも大きく影響することとなりました。
トッテナムMFデル・アリのPSG移籍が破談に終わりました。かつての恩師マウリシオ・ポチェッティーノが監督に就任したことで、イングランド代表キャリアを含めて復調を図りたいアリ自身も移籍を志願、条件面の折衝次第というところまで進展していました。アリが抜ける穴をインテルのクリスティアン・エリクセンのクラブ復帰で埋めたいと考えていたトッテナムの意向を受けて、PSGでスポーツディレクターを務めるレオナルドは、レアンドロ・パレデスをインテルに譲渡する三角トレードを提案。アリ自身も練習を欠席してパリ行きの準備を進めるなど交渉は大詰めを迎えていると見られていました。
しかしながら、交渉は破談してしまいました。トレード選手の格差を埋めるための金銭的補償を求めたトッテナムやインテルに対し、PSGは両者を納得させられる金額を提示出来ませんでした。レオナルドはさらにイドリッサ・ゲイェやユリアン・ドラクスラーを追加で譲渡するプランを提案しましたが、交渉成立には至りませんでした。
先月26日、チェルシーの新監督に就任したトーマス・トゥヘル。契約条件について記者から質問を受けたドイツ人指揮官は、「正直に言うと、ちょっと戸惑った」という提示を受けていました。
オーナーのロマン・アブラモビッチとディレクターのマリナ・グラノフスカヤとの交渉の際、「タイトルを獲得することが責務である。すぐに、その競争に加わってほしい」と要求されました。そして、契約年数が18ヶ月であることを告げられました。
アントニオ・コンテ、ジョゼ・モウリーニョ、さらに今回のフランク・ランパードなど、チェルシーには監督解任に伴い巨額の補償金を支払ってきた歴史があります。2003年に現オーナーが就任して以降、モウリーニョの2回を含め14回の解任通告と金銭補償を繰り返してきましたが、クラブの財政面を圧迫しているのは周知の事実です。
コロナ禍における経済損失を受け、チームマネジメントの知恵や工夫がより求められる時代になりました。
文/西岡 明彦
※theWORLD254号、2月15日配信の記事より転載

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