決勝弾を挙げた相馬 photo/Getty Images
相馬のゴールで札幌相手に1-0で勝利
名古屋グランパスは、6日に行われた明治安田生命J1リーグ第2節で北海道コンサドーレ札幌と対戦し1-0で勝利。途中出場した相馬勇紀のゴールが決勝点となり開幕2連勝を飾った。
昨季3位に入りアジアチャンピオンズリーグの出場権を獲得。9年ぶりにACLの戦いに挑む名古屋はセレッソ大阪から柿谷曜一朗、浦和レッズから長澤和輝を獲得するなど大型補強を敢行した。昨年の戦力に厚みを加えたマッシモ・フィッカデンティがどのような11人を先発に指名してくるのかは注目ポイントであった。
そんな中で迎えた開幕のアビスパ福岡戦では移籍組の先発は柿谷ただ一人。さらに、開幕で横浜FC相手に5-1で大勝を収めた札幌との第2節では柿谷ら移籍組はベンチに置き、強固なディフェンスを誇った昨季の中心メンバーで先発を固める策をとった。
試合開始から強いプレッシングで前線から守備を掛けてくる札幌相手に手を焼く場面は見られたものの、最終局面での堅さは昨年からそのまま。この日も再三に渡りファインセーブを見せたランゲラックをはじめ、丸山祐市、中谷進之介で形成される守備陣が決定機を防ぐ役割をしっかり果たした。
今季の新生名古屋を感じられたのが後半に入ってからの途中交代。フィッカデンティは0-0での緊迫した展開に変化をつけようと、後半9分に柿谷、相馬に加えて移籍後初出場の長澤の3枚を同時投入したのだ。先発でも出られる実力者3人を後半途中の起用した効果は現れ、柿谷は持ち味のテクニックを活かし前線でタメを作る“らしさ”溢れるプレイを披露。ジョーカーとして投入された相馬は得点という結果を残し、移籍組との熾烈なポジション争いでアピールに成功した。
また、後半37分に相馬の決勝ゴール直後には前線の前田直輝を下げ、C大阪から加入した木本恭生をボランチとして起用。
大型補強によりチームのバランスを崩すケースがサッカーでは見られる。しかし、フィッカデンティは昨季の躍進を支えた堅守をベースにした戦いとメンバーを維持しつつ、新たなオプションとなった移籍組を徐々にチームに組み込んでいく手法でチームの総合力を高めようとしている。これからも試行錯誤は続くだろうが、開幕2試合を終えた段階でのチームの状態は上々とみていいだろう。
昨季でのリーグ戦での調子そのままに2021年のシーズンも悪くない船出を切った名古屋。リーグ戦、ACLと過密日程が続いていく中でフィッカデンティが豪華陣容をどのように使いこなし今季のシーズンを戦い抜いていくのかは注目だ。