名将と名高いジョゼップ・グアルディオラ photo/Getty Images
打って変わってCLで順調なマンC
ボルシア・ドルトムントを倒して念願のチャンピオンズリーグ準決勝進出を決めたマンチェスター・シティ。しかし、ベスト4の相手パリ・サンジェルマンとの試合では、普段通りに試合をコントロールできないもどかしさがあった。
この試合でケビン・デ・ブライネを偽9番に置いたマンCだが、デ・ブライネが空けたスペースに誰も入り込まないため中央に選手が不足していた。また、前線への飛び出しを持ち味とするイルカイ・ギュンドアンもカウンターの際のリスク管理の影響からか後方に重心を置いていた。
指揮官であるジョゼップ・グアルディオラは後半にこれを修正。左ウイングのフィル・フォデンを中央に寄せてジョアン・カンセロを外側に張らせる。これでフォデンがハーフスペースにポジションを取るため、中央に選手が流動的に流れる環境を作り出し攻撃に厚みを生み出していた。
後半には左利き尚且つ外側での攻撃に強みを持っているオレクサンドル・ジンチェンコを投入し、左サイドの攻撃を強化した。
このように攻撃面でテコ入れが見られたが、守備面でも修正があった。前半はウイングであるフォデンとリヤド・マフレズに外側へのパスコースを切らせるようにしていたが、中央で受けるネイマールに個人技で突破される場面が散見されていた。
ペップは後半からベルナルド・シウバを一つ前にポジションを上げてプレッシャーを強化していた。これによってボランチへのパスコースを塞ぐことに成功。フリーマンとして受けるネイマールにはルベン・ディアスの出足の早いプレスで前を向かせていなかった。その後、敵陣でボールが奪えるようになり、ショートカウンターを行う場面が多く見られた。
このようにハーフタイムで完璧な修正を施したジョゼップ・グアルディオラ。CLの舞台では采配のミスを指摘されることも多かっただけに、今季の采配の安定感は初のビッグイヤー獲得を期待させるに十分なものだ。

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