フランス代表に戻ってきたベンゼマ photo/Getty Images
フランスに欠けていた数少ないパーツ
2018年のワールドカップ・ロシア大会を制した時、フランス代表ではアントワーヌ・グリーズマンとキリアン・ムバッペが得点源になっていた。
最前線に構えるオリヴィエ・ジルーには大会を通してゴールが生まれなかったのだが、それでもジルーは代表で絶対の信頼を受けてきた。
それは今回EURO2020に参戦されたカリム・ベンゼマも同じで、グループステージ2戦目を終えた時点でフランス代表監督ディディエ・デシャンは「彼は重い負担を背負っている。3年前のジルーと同じだ。最も重要なことは、私が彼を信じていること。チーム全体もそうだ。ストライカーは得点を決めたかどうかで判断されるからね」とフォローしていた。
得点がなくともベンゼマが一流のFWであることはレアル・マドリードで十分に証明されていることだが、ベンゼマはついにグループ最終戦となったポルトガル戦で爆発。PKを含む2得点を記録し、決勝トーナメントへの切符を手繰り寄せた。
ベンゼマがフランス代表で得点を決めるのは実に5年と258日ぶりのことだ。長らく代表を離れていたこともあり、ベンゼマもプレッシャーを感じていたはず。それもこの2得点で少し解消されたのではないか。得点がなくとも一流だが、フランスにとって得点を奪える本格的なセンターフォワードは唯一不足しているポジションだった。
ポルトガル戦は2-2の引き分けだったものの、ベンゼマに当たりが出た状態で決勝トーナメントへ臨めるのは大きい。まだムバッペ に得点が生まれていないのは気がかりだが、決勝トーナメントでもグリーズマン、ベンゼマ、ムバッペ の3トップは相手の脅威であり続けるだろう。
ジルーに代わる1番手FWとして招集されたベンゼマがフランスにEUROのタイトルをもたらすのか。決勝トーナメントでもフランス1番の注目ポイントだ。

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