時折センターバックの冨安と左サイドバックの中山の間に立ち、ビルドアップに関わろうとした田中碧。彼をもっと有効に使いたかった photo/Getty Images
ビルドアップのバリエーションを増やせず
6日に行われた東京五輪サッカー男子の3位決定戦で、U-24メキシコ代表と対戦した同日本代表。
お馴染みの[4-2-3-1]の布陣でこの試合に臨んだ日本代表は、メキシコ代表の[4-1-2-3]の布陣を基調とするハイプレスに苦戦。日本代表が最終ラインからパスを回す構えを見せると、センターFWのエンリ・マルティンが吉田麻也と冨安健洋の2センターバックの間に立って両者のパスコースを切り、ベガとディエゴ・ライネスの両ウイングFWが酒井宏樹と中山雄太の両サイドバックを、コルドバとカルロス・ロドリゲスの2インサイドハーフが遠藤航と田中碧の2ボランチを捕捉。片方のサイドにパスを誘導すると、逆サイドのウイングFWが中央へ絞り、2インサイドハーフとアンカーのルイス・ロモもボールサイドに寄ることで、日本代表のビルドアップを妨害していた。
この日メキシコ代表が仕掛けたプレッシングの段取りは、準決勝で日本代表を下したスペイン代表のそれと同じ。グループステージ第2節ではプレッシングのかけ始めのタイミングやボールの奪いどころがはっきりせず、日本代表のビルドアップを止めきれなかったが、3位決定戦に向けてこの点を修正してきた。
メキシコ代表の緻密なプレッシングが実を結んだのが、PK獲得の直前。11分にセンターサークル付近でボールを保持した吉田に対し、最前線のマルティンが接近。吉田のパスをメキシコ代表から見て左サイドへ誘導すると、パスを受けようとした酒井、堂安律、久保建英を、左サイドバックのヘスス・アングロ、コルドバ、ベガの3人で囲みボール奪取。直後にカウンターを発動したことが、遠藤のペナルティエリア内でのファウルの引き金となった。
また、21分にも自陣後方でボールを受けた吉田にマルティンがアプローチ。日本代表の右サイドにパスを追いやり、ハイプレスでボールを奪うと、マルティンが吉田のプッシングを受け、フリーキックを獲得。これがメキシコ代表の2点目に繋がっている。日本代表との再戦を前に守備を手直しし、スペイン代表のプレッシングを踏襲したメキシコ代表と、ビルドアップのパターンを増やせなかった日本代表との修正力の差が、如実に表れた試合序盤だったと言えるだろう。
後半はメキシコ代表の最前線、中盤、最終ラインが間延びしたことで多くの決定機を作れていただけに、日本代表としては準決勝と同じく片方のサイドでのパスワークに固執し、相手のプレッシングを掻い潜れなかった前半のパフォーマンスが悔やまれるところ。“4バック+2ボランチ”の初期配置をあまり変えずにビルドアップしようとしたため、メキシコ代表としてはプレスをかけやすかった。
この試合の前半を見る限り、冨安と中山の間に田中を降ろし、中山にサイドの高い位置を取らせたうえでビルドアップする場面を、もう少し増やしても良かったと思われる。11分に吉田がボールを保持した際、田中が機転を利かせてセンターバックの冨安と左サイドバックの中山の間に立ってボールを要求していたが、フリーの同選手へのサイドチェンジのパスは出ず。片方のサイドでのパスワークにこだわったことで、日本代表はメキシコ代表のプレッシングをもろに浴びてしまった。
この場面で吉田が田中へ直接パス、もしくは冨安を経由して田中にパスを送れていれば、がら空きとなった左サイドを田中を起点に突けたかもしれない。ボールサイドに人を寄せてハイプレスをしてくるチームに対し、この田中のポジショニングは有効なのだが、同選手を活かしたビルドアップがチーム内に浸透していなかった。
田中を冨安と中山の間へ降ろすことのもう一つのメリットを挙げるとすれば、対面のライネスやロドリゲスを釣り出し、これによって生まれる左サイドのスペースを田中、中山、久保、同サイドハーフの相馬勇紀らで突きやすくなるという点だろう。

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