抜群のタレント力誇っていた当時のドルトムント photo/Getty Images
止まらなかった主力の流出
2010年代前半のドルトムントはユルゲン・クロップの下で大きな成功を収めたが、悔やまれるのは主力の流出だ。
これは仕方のないことだが、ドルトムントで活躍した選手は資金力あるビッグクラブから狙われる。
独『Sport1』によれば、当時ドルトムントでプレイしていたDFウカシュ・ピシュチェクはMFマリオ・ゲッツェのバイエルン移籍が堪えたと振り返っている。
「3、4年の良い時期があり、チームは変化した。マリオはバイエルンへ行ったね。チームに永遠はないと証明された時でもあったから、チームにとっては最大の衝撃だったと思う」
ゲッツェは2013年にバイエルンへ向かったが、その1年前には香川真司がマンチェスター・ユナイテッドへ移籍している。これもショックが大きかったのではないか。
たらればではあるが、ドルトムントは香川が抜けた2012-13シーズンにチャンピオンズリーグ決勝まで駒を進めており、香川がいれば決勝の結果が変わっていた可能性もある。
開幕前にはボルシアMGからMFマルコ・ロイスが加わっていたため、香川、ゲッツェ、ロベルト・レヴァンドフスキらで魅惑の攻撃陣を完成させることが出来たはず。
当時はロイスが香川の控え候補だったとの話もあり、香川がいかに高く評価されていたかが分かる。
結果的には香川もゲッツェも移籍先で大成功を収めたわけではなく、もう少しクロップ体制のドルトムントで見てみたかったコンビだった。当時のベストメンバーなら2012-13シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でバイエルンに勝つことも夢ではなかったはずで、サポーターの中に後悔もあるのではないか。