新たにトッテナムの指揮官に就任したコンテ photo/Getty Images
トッテナムに付き纏う一抹の不安
2021-22シーズンはヌーノ・エスピリト・サントを新指揮官に招聘してプレミアリーグ・トップ4への返り咲きを目指していたが、開幕からの不調によって早くも新たなプロジェクトが頓挫してしまったトッテナム。ヌーノ政権は現地時間1日付で早くも終わりを告げ、翌2日には次期監督として前インテルのアントニオ・コンテを迎え入れた。
コンテは優秀な監督だ。クラブレベルではユヴェントス、チェルシー、インテルといった名門クラブにそれぞれリーグタイトルをもたらしており、その手腕の高さに疑いの余地はない。戦力さえ整えば、チームの立て直しはうまくいく可能性が高いと言っていい。
しかし、問題なのはその“戦力さえ整えば”という点だろう。昨季まで率いたインテルでの仕事を見ても、コンテは自身の理想とするスカッドを作り上げるのに妥協しない男というのはわかる。
同監督はスクデット獲得を目指すにあたって、就任初年度から大型補強をフロントにリクエスト。その結果、インテルは夏の移籍市場でFWロメル・ルカクやMFニコロ・バレッラといった後にチームの軸となる選手を獲得し、冬の移籍市場でもMFクリスティアン・エリクセンやMFアシュリー・ヤングといった人員を補充することとなった。こうした過去を見ると、トッテナムでもコンテが目指すチームを作り上げるために相当な資金が必要となるのは容易に想像がつく。
サッカー界屈指の倹約家として知られるレヴィ会長は、コンテの要求にどこまで応えることができるか photo/Getty Images
“倹約家”レヴィ会長はどう動く
実際、今回トッテナムでの仕事を引き受けるにあたり、コンテはフロントに2億3700万ポンド(約356億円)にも及ぶ補強予算をクラブに要求したと英『Daily Express』が報じている。そして、その相手となったクラブのトップはサッカー界屈指の“倹約家”として知られるダニエル・レヴィ会長。このタイミングでコンテ招聘へと踏み切っただけに、同会長もある程度の出費は考えているだろうが、さすがに300億円超の補強費捻出はあまり現実的と言えないか。
加えて、英『Daily Mirror』によると、コンテ自身の給料も年1500万ポンド(約23億3000万円)と超高額。

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