神戸をけん引する山口蛍 photo/Getty Images
年々、成長している
2位横浜F・マリノスに負けはしたものの、今季3位でのフィニッシュを決めたヴィッセル神戸。絶対的な得点源であった古橋亨梧をセルティックへ売却したことによる前線の駒不足が騒がれていたが、大迫勇也をはじめとする3人のFWを獲得し、終盤まで失速せず走り切った。
そんな神戸だが、それぞれのポジションでプレイする選手が他クラブと比べ、非常に豪華である。前線であれば前述した大迫や武藤嘉紀、ボージャン・クルキッチ、アンドレス・イニエスタ、後方であればセルジ・サンペール、トーマス・フェルマーレンとビッグネームがスタメンに名を連ねている。そんな彼らにも負けない実力を持っているのがMF山口蛍だ。
セレッソ大阪でプロデビューし、ドイツのハノーファーで海外移籍を果たした山口。しかし、日本で見せたような活躍は難しく、古巣セレッソで日本復帰し、2019年から神戸に在籍している。代表でも同様に活躍しており、イラク戦でのミドルシュートは記憶に残っているサッカーファンも多いのではないだろうか。
代表は既に国内メディアのインタビューで引退宣言をしてしまった山口だが、今でも中盤であれば日本トップクラスの実力を兼ね備えている。ピッチ上で攻撃の芽を摘む能力に長けている山口だが、積極的な攻撃参加も得意としており、正確なキック精度で攻撃を活性化させることもできる。現在ではA・イニエスタがセットプレイのキッカーを任されているが、山口も彼に劣らない高精度のキックを持っている。
特に山口のスタミナは凄まじく、後半アディショナルタイムでも全力ダッシュを見せるなど、運動量で定評のあるチェルシーのエンゴロ・カンテのような驚きをもたらしてくれる。まだ31歳と引退するには早く、今後の神戸を支える存在として期待だ。