モロッコ代表を指揮するハリルホジッチ photo/Getty Images
アフリカ・ネイションズカップでは順調に2連勝スタート
日本代表を指揮していた頃よりヴァイッド・ハリルホジッチ監督は選手選考で様々な議論を呼んできたが、その姿勢は現在指揮するモロッコ代表でも変わっていない。
現在アフリカ・ネイションズカップに参戦しているモロッコでは、チェルシーMFハキム・ツィエクが招集されていない。
その人選には仏『Foot365』も注目しているが、面白いのは今大会に代表経験の浅い選手を積極的に招集していることだ。
2-0で勝利したグループステージ第2節のコモロ戦では、今大会が代表デビューとなる28歳のMFタリク・ティソウダリを先発に抜擢。ベルギーのヘントでは主にセンターフォワードとしてリーグ戦10得点と結果を出している選手だが、今回のコモロ戦では右サイドハーフとして起用されることになった。
さらに今季からフランス1部のアンジェでプレイする21歳のセントラルMFアゼディン・ウナヒも初招集。世代別代表の経験もなかったが、ハリルホジッチはネイションズカップ初戦のガーナ戦から若いウナヒをフル出場させている。この人選もなかなか興味深い。

コモロ戦で得点決めたアマラー(左) photo/Getty Images
コモロ戦ではアマラーがヒーローに
他にもハリルホジッチがデビューさせた選手は多く、昨年11月にデビューさせたメス所属DFソフィアン・アラクシュ、昨年8月にデビューしたワトフォード所属MFイムラン・ルーザ(22)、昨年6月デビューのQPR所属MFイリアス・シャイル(24)、昨年3月デビューのルーヴェンDFソフィアン・チャクラ(28)、同じく3月デビューのワトフォードDFアダム・マジーナ(28)。
2020年にもAZ所属FWザカリア・アブカウ(21)、フェレンツェバローシュDFサミー・ムマエ(25)といった選手に代表デビューの機会を与えていて、彼らは全員今回のネイションズカップでも招集を受けている。経験が浅いゆえ代表キャップ数が一桁の者も多くなっているが、ハリルホジッチは就任からの2年半で自身の哲学に合う選手を揃えたのだろう。
ここまではガーナ、コモロと2試合続けてクリーンシートでの勝利を収めており、コモロ戦では2019年に自身がデビューさせたスタンダール・リエージュMFセリム・アマラーが1得点1アシストと見事な活躍を披露。
ネームバリューのある選手はパリ・サンジェルマンのDFアクラフ・ハキミ、セビージャFWユセフ・エン・ネシリ、ムニル・エル・ハダディ、GKヤシン・ブヌ、フィオレンティーナMFソフィアン・アムラバト、ウォルバーハンプトンDFロマン・サイス、アンジェMFソフィアン・ブファルといった面々で、ツィエクが抜けていることもあってそこまで派手な面子ではない。
だが、ハリルの哲学を理解する者が揃っている場合は厄介だ。実際にネイションズカップや2022ワールドカップ・カタール大会へ向けたアフリカ予選でも結果は出ており、今大会でもハリル率いるモロッコは上位まで勝ち上がってくるかもしれない。