シュツットガルトを束ねる遠藤航 photo/Getty Images
シュツットガルトに欠かせない精神的支柱へ
日本代表で長谷部誠の後継者となるのは誰か。ポジションの面だけでなく、精神面も含めてシュツットガルト所属のMF遠藤航(29)の成長は大きすぎる収穫だろう。
遠藤がシュツットガルトで伸ばしているのは守備や攻撃の技術だけではない。苦しい時にチームを引っ張るリーダーシップも大いに伸びている。それを感じさせたのが5日のボルシアMG戦だろう。
シュツットガルトは現在17位と降格圏に位置しており、このボルシアMG戦も先に2点を奪われる苦しいゲームとなった。そのチームに喝を入れたのが遠藤である。
前半38分に高い位置を取った遠藤は、右足で得点を記録。気持ちでねじ込んだようなゴールで、独『TAG24』によればチームメイトのFWサーシャ・カライジッチは「あれは僕たちに何かを引き起こした」と振り返る。
その後シュツットガルトはカライジッチのゴールもあって3-2と逆転勝利。何とも寂しい話だが、これがシュツットガルトにとって2022年リーグ戦初勝利だった。まだ順位は17位と変わらないが、それでも残留へ大きな勝ち点3であることは間違いない。
同メディアは遠藤のリーダーシップを高く評価する。
今のシュツットガルトはとにかく若手の目立つチームだ。スタメンの大半が25歳以下の選手で構成されており、それを29歳になった日本代表MF遠藤航が上手く引き締めている。この経験は日本代表にとってもプラスだろう。
また遠藤は守備のデュエルが強調されるが、ドイツに行ってからはビルドアップなど攻撃面も成長している。相手のプレスをいなす術を身につけており、ただの守備専門MFではない。このボルシアMG戦では25歳の大型MFアタカン・カラソルもスタメン出場していたが、カラソルを中盤の底に置いて遠藤の攻撃参加を促すやり方も悪くない。
この1勝はシュツットガルトの雰囲気を変えるのか。遠藤はすっかりチームの精神的支柱になっている。