バイエルンは決して盤石ではない photo/Getty Images
札束攻勢は現実的ではない
現在ブンデスリーガ首位を走っているものの、バイエルンには課題も見受けられる。今夏の移籍市場での動きはかなり重要なものとなるだろう。
やはり1番の補強ポイントとなるのは、DFニクラス・ズーレが抜けるセンターバックだ。ズーレはすでに国内のライバルであるドルトムントと契約を結んでおり、来季からは強烈なライバルになる。今のところバイエルンにはダヨ・ウパメカノ、バンジャマン・パヴァール、リュカ・エルナンデスがセンターバックに揃うが、昨夏にダビド・アラバが抜けたことからリーダーシップが不足している。
独『Sport1』によれば、新センターバック候補として名前が挙がるのはトリノの大人気ブラジル人DFブレーメル、ボルシアMGからの退団が予定されているドイツ代表DFマティアス・ギンター、そしてチェルシーとの契約が満了を迎えるドイツ代表DFアントニオ・リュディガーも候補に入っている。
中でもリュディガーは経験も豊富で、ドイツ代表プレイヤーでもある。理想的ではあるものの、バイエルンがリュディガーの望む給与を用意できるかは分からない。マネーゲームになってしまうと、やはりイングランド勢やバルセロナ、レアル・マドリードといったメガクラブと張り合うのは難しくなってくる。
これは手薄な右サイドバックにも当てはまる。ジョシュア・キミッヒが中盤にポジションを移していることもあり、右サイドバックの候補者が少ない。パヴァール、あるいはブナ・サールも控えるが、サールはバイエルンのレベルの選手とは言い難い。同メディアもバイエルンが左サイドバックのアルフォンソ・デイビスと同じくらいの存在感を放つ右サイドバックを求めていると伝えているが、クラブとしては新たな右サイドバックに2000万ユーロ以上の投資はしたくないという。
バルセロナのセルジーニョ・デスト、ヴォルフスブルクのリドル・バク、レヴァークーゼンのジェレミー・フリンポンらも候補に挙がるが、彼らを安価で獲得できる保証はない。
そして最後にMFレオン・ゴレツカの負担を軽減できるセントラルMFだ。ここはチアゴ・アルカンタラが抜けたこともあり、キミッヒとゴレツカ、あるいは若いジャマール・ムシアラくらいしか適役がいない。
アヤックス注目の若手MFライアン・グラフェンベルフは新戦力候補だが、争奪戦は避けられないだろう。獲得にはそれなりのコストがかかる。ただし、新シーズンへここの補強は必須だ。
今季もゴレツカが離脱してからは層の薄さを痛感する戦いが続いており、同メディアは怪我の少ない新たなコランタン・トリッソ役をこなしてくれる選手が必要と主張する。
問題は資金面だが、ここは主力組の契約延長にも左右される。FWロベルト・レヴァンドフスキ、セルジュ・ニャブリ、トーマス・ミュラー、GKマヌエル・ノイアーの4人が2023年で契約満了となっており、彼らのサラリーがどうなるかも気がかりだ。仮に今夏この4人に動きがあるなら、その穴埋めに動く必要も出てくる。
今回のズーレ退団もそうだが、昨夏もアラバをフリーで手放してしまっており、移籍金を回収できていないのが痛い。