酒井宏樹の代役は右サイドバックではなく、センターバックの中谷進之介だった photo/Getty images
どうなるのか
前回は冨安健洋と吉田麻也を欠くことになった日本代表だが、今回はその冨安に加えて大迫勇也、酒井宏樹、前田大然の招集辞退が発表されている。大迫の代役としてシント・トロイデンの林大地が、酒井の代役として名古屋グランパスの中谷進之介が追加招集されている。
大迫の代わりとして林は分かるが、中谷は酒井の務める右サイドバックの選手ではなく、センターバックとして評価を高めている選手だ。守備固めとしての右SB起用かも知れないが、それであれば本職の選手を呼ぶべきである。オーストラリア戦は山根視来が起用されると予想できるが、彼が怪我となれば長友佑都に右SBを任せるくらいしか策がない。
そこで考えられるのは3バックへの移行だろう。中谷が追加招集されたことでCBでプレイできる選手が、中谷含めて吉田麻也、板倉滉、谷口彰悟、植田直通、中山雄太、佐々木翔の7人となった。中山、佐々木は左SBとして呼ばれたのかも知れないが、これだけCBに人数が偏るのも珍しい。
それでも、3バックへ移行する理由は分かる。現状は[4-3-3]だが、欧州や南米といったアジアよりレベルの高い国とのゲームとなれば、対アジアのようにボールは支配できない。それであれば、主導権を握られても善戦でき、カウンターから相手ゴールを脅かすことができる3バックは理にかなっている。幸い日本代表は伊東純也をはじめ、快足アタッカーたちが集められている。ウイングバックに関しても所属クラブでそのポジションを任されている三笘薫やユーティリティ性のある原口元気らがおり、問題はないだろう。
試すとすればワールドカップ・カタール大会行きが決まったあとだろう。
アジア最終予選後の先も見据えている森保一監督。3バックは森保監督がサンフレッチェ広島を率いた時代にも採用しており、佐々木が継続的に招集されているのもそういったアイデアをチームに組み込みやすくするためだといえる。