アトレティコで存在感増してきたフェリックス photo/Getty Images
遅ればせながらブレイクのとき
アトレティコ・マドリードを指揮するディエゴ・シメオネのスタイルは独特で、ゲームによってはかなり守備的なスタイルを採用することもある。アタッカーの選手にとってはやりづらい部分もあるはずで、シメオネ流に合わなかったアタッカーも少なくない。
2019年の夏に1億2600万ユーロもの移籍金でベンフィカからやってきたポルトガル期待の若きFWジョアン・フェリックスもその1人と考えられた。
テクニックは高い評価を得ていたが、シメオネ流では明らかに実力を発揮できないシーズンが続いていたのだ。フェリックス獲得に1億ユーロ超えの移籍金を支払ったのは失敗だったと考えるサポーターもいただろう。
しかし、徐々に風向きは変わりつつある。今季のアトレティコはリーグ戦でも苦戦を強いられてきたが、そのチームで今最も頼れるアタッカーはフェリックスと言っていい。
リーグ戦での得点数は8点まで伸びており、これはFWルイス・スアレス、アンヘル・コレアの11得点に次ぐ数字だ。しかもフェリックスのプレイタイムは2人より少なく、昨季はエースだったスアレスも今季後半戦はスタメンから外れる機会も増えている。
復帰してきたアントワーヌ・グリーズマンも怪我があり、今季リーグ戦では3得点のみと物足りない。
かなり時間はかかったが、フェリックスがシメオネ流の中で力を発揮できるようになってきたのは間違いない。中盤から前線へボールを運ぶテクニックはさすがで、3年の我慢を経て才能が開花しようとしている。
他クラブに移籍した方が実力を発揮できるのではとの声もあったが、アトレティコとの契約は2026年まで残っている。来季から本格的にアトレティコの王様となってくれれば言うことなしだろう。