酒井宏樹と競り合うコロ・ムアニ photo/Getty Images
ブンデスリーガで早くもブレイクの予感
ベストメンバーを揃えていなかったとはいえ、昨夏の東京五輪に参戦したフランス代表の戦いぶりは散々だった。グループ初戦のメキシコ戦を1-4で落とすと、最終戦の日本代表戦も0-4のスコアで大敗。
極め付けは74分の退場劇だ。大差にフラストレーションが溜まったのか、フランスの選手が三好康児の足を踏みつけるダーティーな行為に出てしまった。
この行為で一発退場を命じられたのは、今夏にフランスのナントからドイツのフランクフルトへフリーで移籍した23歳のFWランダル・コロ・ムアニである。
あれからの1年で心身ともに成長したのか、ムアニは早くも新天地のフランクフルトでポジティブな注目を集めている。
開幕戦のバイエルン戦は1-6と大差で落としたが、途中出場のムアニはGKマヌエル・ノイアーの一瞬の隙を突いて得点を記録。ノイアーがバックパスの対応を誤ったところを一気に詰め、ボールを奪ってゴールへ流し込んだのだ。
ムアニは187cmとサイズのあるセンターフォワードだが、思った以上にスピードを持っている。そのスピードとリーチの長さにノイアーも戸惑ったのか、トラップミスをムアニに突かれてしまった。大勝したバイエルンにおいて唯一と言っていい凡ミスだ。
ムアニは昨季リーグ・アンで12ゴールを記録し、市場価値もこの2年で250万ユーロから1600万ユーロまで急上昇している現在売り出し中の大型ストライカーだ。ややネガティヴなスタートとなった今季のフランクフルトにとって数少ない収穫と言えよう。
東京五輪では悪い形で注目を集めたが、フランクフルトでさらなるブレイクを果たすのか。視界の先にはフランスA代表も入っているはずだ。