スペインを粉砕したなでしこジャパン photo/Getty Images
中盤の選手がどんどん前線へ顔を出す速攻は圧巻
女子FIFAランキング6位のスペイン代表相手に衝撃の大勝だ。7月31日にFIFA女子ワールドカップ2023・グループステージ最終節でスペインと対戦したなでしこジャパンは、宮澤ひなたの2ゴールの活躍もあって4-0の勝利を収めた。
これでグループステージは初戦のザンビア(5-0)、第2節のコスタリカ(2-0)、そして最終節のスペインと、無傷の3連勝突破だ。それも11ゴール0失点と攻守の成績も抜群ときている。
英『Squawka』が注目したのは、なでしこジャパンのポゼッション率だ。
現代ではポゼッションにこだわるチームは少なくなっているが、それでも目立つ数字ではある。今回のスペイン戦でなでしこジャパンのポゼッション率は僅か22%となっており、ボールを奪ってからの速攻を軸にスペインを沈めてみせた。
思い出すのは、昨年の男子ワールドカップ・カタール大会だ。あの時も日本代表は最終節でスペインと対戦し、2-1と勝利を収めた。あのゲームも日本のポゼッション率は僅か17%で、ほとんどの時間帯で押し込まれていた。
しかし、勝ったのは日本だ。サッカーはポゼッション率で優劣を競う競技ではない。同メディアは「日本の男子と女子はスペイン撃破への公式を見つけた」と男女の日本代表を取り上げており、すっかりスペイン・キラーかのような雰囲気だ。
SNS上では「スペインのポゼッションは退屈」、「77%も保持して0-4とは……」と現地のファンは衝撃の大敗を嘆いている。
男子と同じく、なでしこジャパンもとにかくアグレッシブだ。今回のスペイン戦でも相手の縦パスを奪うと、そこから一気にカウンターが始まる。中盤の選手が次々と前線のターゲットマンを追い越していき、この動きにスペインの選手はまったくついていけなかった。
初戦のザンビア戦は60%のポゼッション率をキープしながら、自分たちからボールを動かして5-0の勝利を収めたなでしこジャパン。今回のスペイン戦では別のオプションを見せることになり、大会の優勝候補リストに加えられるべきだろう。