チェルシーの最前線で暴れたジエゴ・コスタ photo/Getty Images
移籍金が高いのがネックだ
エンツォ・マレスカ体制で新シーズンを迎えるチェルシーは今夏も積極的な補強に動いている。すでにフラムからDFトシン・アダラビオヨ、アストン・ヴィラからMFオマリ・ケリーマン、そして監督の古巣レスターからはMFキーナン・デューズバリー・ホールを獲得し、戦力の拡充に余念がない。
着実に戦力を拡大しつつあるチェルシーだが、まだ最前線のCFをどうするのかという点で課題を残している。昨季は多くの試合でニコラス・ジャクソンが務めていたが、徐々に適応したものの最適な人選なのかという疑問はある。クリストファー・エンクンクは稼働率の面で問題があり、頼れるCFを確保することは大きな課題であるだろう。
そもそもチェルシーといえば堅固な守備をベースに、強烈なCFタイプを置くことで勝利を重ねてきたイメージもある。ディディエ・ドログバ、フェルナンド・トーレス、そしてジエゴ・コスタだ。
近年はオリヴィエ・ジルーやロメル・ルカク、あるいはカイ・ハフェルツなどが最前線を務めたが、強靭で狡猾な点取り屋だったコスタをしのぐ存在感を示したストライカーはいなかった。決してテクニカルではなく、ときにファウルギリギリの泥臭さがありながらも、強引に前を向いてゴールを狙えるフィジカルの強さと貪欲さ。これが近年のチェルシーに欠けていたものではないか。コスタはチェルシー在籍の3年間で公式戦59ゴールを奪った。英『football.london』も、未だチェルシーはコスタの代わりを見つけることができていないと指摘している。
現在チェルシーが狙っているストライカー候補の1人とされるアトレティコ・マドリードのサム・オモロディオンはコスタと比較されることがあり、そういった意味で面白い存在になれそうだ。193cmのサイズがあり、前線で真っ向から敵CBと競り合えるタイプ。
ネックとなるのは7000万ポンドといわれる高額な移籍金だが、まだ20歳と伸びしろがあり、さらなる覚醒を見せる可能性もある。果たしてNEWコスタとしてチェルシーがオモロディオンを迎えることはあるのか、期待したい。