今夏のEUROにも出場したティアニー Photo/Getty Images
サイドを刺すスピードでは一番だ
DFリッカルド・カラフィオーリも新加入し、いよいよ屈強の守備陣を揃えてきたアーセナル。ウィリアム・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイスの2CBはいうに及ばず、ベン・ホワイト、ユリエン・ティンバー、冨安健洋、カラフィオーリと揃った陣容は欧州屈指と言っても過言ではない。
そんななかチャンピオンズリーグの登録メンバーが発表されたが、昨季レアル・ソシエダにレンタルされていたスコットランド代表DFキーラン・ティアニーの名前を見つけることができる。ティアニーはミケル・アルテタ監督の構想外とされ、移籍も噂されていたが、買い手なくそのままローンバックでアーセナルに留まっていた。
それだけにアルテタがティアニーを登録メンバーに入れたのは意外ではある。先述のDF陣の充実ぶりから考えても開幕からベンチ入りしていたMFイーサン・ヌワネリを優先しても良さそうなものだが、ヌワネリはAリストからは外れ、選ばれたのはティアニーだった。
ティアニーがしだいにアルテタの構想外となってしまったのは、左サイドバックのMF化、いわゆる偽サイドバック戦術に適応できなかったからだと言われる。ティアニー自身もソシエダに在籍していたとき、このことについて言及したことがある。しかし、現在は右のベン・ホワイトに偽SBの役割を託すこともでき、戦術の幅が広がっている。
おそらくティアニーはアーセナルDF陣で随一のスピードを持っており、単純なライン際の上下動のタスクであればスピード、守備強度ともに他の選手に引けを取らない実力の持ち主だ。相手によってはこれが有効となることも十分に考えられる。限定的にはなるかもしれないが、アルテタには何か考えがあるのかもしれない。
一時は次期キャプテンではないかとまで言われたティアニー。左SBには他にもオレクサンドル・ジンチェンコ、ヤクブ・キヴィオルなどライバルも多いが、不遇の時期を乗り越えて復活なるか、注目だ。

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