上海ポートでも成功を収めたマスカット photo/Getty Images
豪州の先輩ポステコグルーも手腕を絶賛
今月2日に天津津門を5-0で撃破し、今年の中国スーパーリーグ制覇を決めた上海ポート。現在チームを指揮しているのは、横浜F・マリノスでも指揮を執ったオーストラリア人監督のケヴィン・マスカットだ。
チームには元ブラジル代表MFオスカル、中国サッカー界のスターであるFWウー・レイなど実力者がいるが、マスカットは彼らを上手くまとめ、今年のリーグ戦30試合で96ゴールを挙げる攻撃集団を完成させた。
マスカットは51歳を迎えているが、アジアでの実績は十分だろう。自国オーストラリアではメルボルン・ビクトリーでAリーグ制覇、マリノスでも2022年のJ1を制し、そして今回の上海ポートでの中国スーパーリーグ制覇と、申し分ない実績だ。
マスカットは欧州でも成功できると断言するのは、オーストラリア人監督の先輩でもある現トッテナム指揮官アンジェ・ポステコグルーだ。マスカットはポステコグルーにとって弟子と言える存在で、メルボルン・ビクトリーではポステコグルーの下でアシスタントコーチを務めた。
その後ポステコグルーが退任してからはメルボルンの監督職を引き継ぎ、2017年からはオーストラリア代表で再びポステコグルーのアシスタントコーチに。マリノスもポステコグルーからマスカットへとバトンを繋いでおり、2人は今でも連絡を取り合う仲だという。
『ESPN』にて、ポステコグルーはマスカットがアジアで残してきた実績を過小評価すべきではないと語る。
「彼はすでに十分な実績を残している。彼が欧州に渡れば、成功するはずだ。サッカー界では、欧州以外での成功を軽視するところがある。欧州中心主義があるんだ。
「我々は定期的に連絡を取り合っている。彼は日本に留まる選択肢もあったはずだが、彼は他国での挑戦を選んで中国へ向かった。中国のリーグも簡単ではないよ。彼がそこでリーグタイトルを獲得したのは素晴らしい。まだ国内のカップ戦決勝が残っているけどね」
上海ポートは23日に中国FA杯の決勝で山東泰山と顔を合わせる。ここでも優勝となればマスカットの中国挑戦は大成功となりそうで、その手腕はもっと高く評価されるべきだろう。