マインツでプレイする佐野 photo/Getty Images
ブンデスでのスタートは遠藤よりもスムーズだ
現在リヴァプールに所属する日本代表MF遠藤航は、ドイツのシュツットガルトで評価を伸ばしてきた選手だ。2019年にシント・トロイデンからシュツットガルトに加わり、そこで4年を過ごした。
そんな遠藤と重ねられているのが、現在マインツで活躍するMF佐野海舟だ。25日にはブンデスリーガ第19節でシュツットガルトと対戦し、佐野はこのゲームにもフル出場。チームの2-0勝利に貢献しており、マインツは現在6位と好調だ。
佐野の活躍から、独『Kicker』は日本人MFとして遠藤航に続く存在と両者を重ねている。24歳の佐野がどこまで成長できるかは分からないが、ここまでは遠藤よりも快調なドイツ生活のスタートを切ったと言える。
遠藤がシュツットガルトへ移籍した当時、チームはブンデスリーガ2部にいた。しかも遠藤は初年度の2019-20シーズンの第12節まで全く出番がなく、シーズン途中からポジションを勝ち取った。この時点で遠藤は26歳であり、ブンデスリーガ1部での戦いをスタートさせたのは次の2020-21シーズンからだ。
一方で佐野は加入早々にスタメンを確保しており、チームもブンデスリーガの上位争いに絡んでいる。同メディアはそんな佐野のスタートについて「物事が0から100へと一気に進んだ」と表現しており、まさかこれほどスムーズにマインツでのキャリアをスタートさせるとは予想外だった。
遠藤と佐野のプレイスタイルが全く同じというわけではないが、両者とも中盤でのデュエルに強く、ボールを奪える選手だ。同メディアも佐野のデュエルの強さは認めていて、次の一歩として攻撃面での影響力アップを求めている。
シュツットガルト時代の遠藤は残留争いに巻き込まれるクラブを救う決定的なゴールを何度か決めており、クラブの顔となっていた。リーダーシップもあり、シュツットガルトの柱だった。
佐野は中盤で印象的なプレイを見せているものの、まだ得点もアシストも0だ。足下のテクニックは確かなものがあるだけに、今後はもう少し得点に関与する機会も増やしたいところ。
またチームを指揮するボー・ヘンリクソンは佐野について「カイシュウを笑わせるのは難しいよ。彼は内向的なタイプだからね」と表現していて、まだリーダータイプというわけではないか。
とはいえまだ24歳と若い。このままマインツで成長を続ければ、遠藤よりも早くビッグクラブ移籍のチャンスを手にできるかもしれない。果たして遠藤以上のMFになれるのか、ここまでのスタートは申し分なしだ。