ユヴェントスでは計8シーズン監督を務めたアッレグリ氏 photo/Getty Images
元指揮官が電話
移籍期間の最終日にユヴェントスからフィオレンティーナへのローン移籍が決まったニコロ・ファジョーリ。その彼が「緊張した一日だった」と語った最終日に起きたと見られる出来事の詳細を、イタリアメディアが報じている。
先日、ファジョーリは、フィオレンティーナとの契約書にサインした直後のインタビューで「緊張した一日だった。移籍市場が始まってから私を信頼してくれたマルセイユには感謝しているが、パラディーノ監督とクラブとも話し合った後、フィオレンティーナに行くことに決めた」と語っていた。だが『Football Italia』によると、彼は国内でのプレイを希望していたことから、最終日の数日前には、既にフィオレンティーナと合意していたという。
ところが最後の数時間というところで、彼に関心を寄せていたマルセイユがコンタクトを取ってきたため、期待に応えることができないファジョーリは、ロベルト・デ・ゼルビ監督と電話で会話することを拒否したそうなのだ。
すると今度は、昨季までユベントスの指揮官だったマッシミリアーノ・アッレグリ氏が、ファジョーリに電話をかけてきて、マルセイユに明確な回答をするよう助言したという。そのアドバイスもあり、ファジョーリはデ・ゼルビ監督に電話をかけ、フィオレンティーナへの移籍を希望していることを伝えたそうだ。
おそらく元指揮官は、彼が下部組織にいた時代からその成長を見守ってきた一人だろう。ファジョーリは過去にギャンブル依存症と診断され、試合に出られない時期があったが、それでもアッレグリ氏は見捨てることなく、出場停止期間が終わるとチームの一員として試合に復帰させていた。彼に対しては大きな期待を寄せていたことが窺える。
そんな恩師の言葉に、ファジョーリも心が動いたのだろう。些細なことかもしれないが、結果的に同胞でもあるデ・ゼルビ監督に対し義理を通すことができたわけだ。
ファジョーリがあのインタビューで、緊張した一日だったと語り、マルセイユへの感謝を述べることができたのも、もしかしたらアッレグリ氏の影響があったからなのかもしれない。