アル・ナスルに加わったジョン・デュラン photo/Getty Images
今冬では三笘薫が狙われた
今冬の移籍市場ではクリスティアーノ・ロナウドが所属するアル・ナスルがアストン・ヴィラのFWジョン・デュランを獲得し、話題をさらった。獲得には至らなかったがマンチェスター・シティのMFマテオ・コヴァチッチやブライトンのFW三笘薫もターゲットとなっており、来夏以降の移籍市場でも脅威的なクラブとしてマーケットで存在感を示すことになるだろう。
『TheGuardian』はサウジ・プロリーグが移籍市場に本腰を入れたシーズンから現在までの市場での動きを分析しており、今季はある変化のあるシーズンだったと語っている。それがターゲットの若年化だ。
23-24シーズンにアル・ナスルはFWサディオ・マネ(31)、DFアイメリック・ラポルト(29)、MFオタビオ(28)、MFマルセロ・ブロゾヴィッチ(30)、DFアレックス・テレス(30)らを獲得したが、どれもベテラン、もしくはそれに近い年齢の選手たちばかりだ(()内の数字は獲得した当時の年齢)。
アル・ナスルのライバルであるアル・ヒラルも同様で、23-24シーズンにはFWネイマール(31)、MFセルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチ(28)、DFカリドゥ・クリバリ(32)、GKボノ(32)らを獲得している。
ただ、24-25シーズンをみると、アル・ナスルはFWデュラン(21)を筆頭にDFモハメド・シマカン(24)、FWアンジェロ(19)、FWウェズレイ(19)と若手が並び、これはベンフィカからFWマルコス・レオナルド(21)を獲得したアル・ヒラルも同様である。
同メディアはターゲットが若手中心になった理由について分析しており、それがビジネスとして理にかなっているからだという。
若手であればベテランよりも給与や獲得する際の移籍市場を安く抑えることができ、さらには欧州クラブへ売却できれば利益が出る可能性もある。また、若手の成長はサウジ・プロリーグ全体の引き上げに繋がるため、多くのクラブが名のあるベテランよりも若手に注目しているようだ。そのため今後、欧州勢は将来性のある若手を獲得する際に、サウジクラブと競争する機会が増えていくだろう。