米国ファンに実力を見せた井上 photo/Getty Images
相手の奮闘を称賛
スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が、挑戦者WBA同級1位ラモン・カルデナスに8回45秒、TKO勝利を飾った。
21年6月以来、4年ぶり3度目のラスベガスでの試合となった井上は、これでプロデビューから30連勝となり、4団体王座4度目の防衛に成功した。
試合は井上が2回にまさかのダウンを奪われる展開となった。戦前の予想とは違い、カルデナスのスピードとパワーは井上に匹敵。さらに狙いをカウンターのみ一点に絞った戦法が功を奏した。井上が打ち気に逸り、不用意に右フックで飛び込んだところ、ルイス・ネリ戦に似たようなフルスイングの左フックを顔面に見舞った。井上はキャリア2度目のダウンを喫した。
しかし、それでも「足にはきてなかった」と井上。残り数秒だったその回を凌ぐと、3回以降はワンツーを主体に反撃。徐々に総合力で上回り、左フックやボディーをガードの隙間に打ち込んでいった。
時折、カルデナスのフルスイングのカウンターが襲うも「3回以降は絶対にもらわないようにした」と対応。7回にはその相手の狙いを見極めて、右ストレートを3連打しダウンを奪い返すと、8回の猛攻でレフェリーストップとなった。
試合後に公開された採点は、ジャッジ3名ともが7回まで「68-63」で井上を支持。
井上は試合後にリング上でインタビューを受け、「僕が殴り合いが好きだということは証明できたと思います。すごく楽しかったです」と興奮気味に語った。カルデナスに対しては「非常にタフな相手でした。オッズ的にはかなりの差があったと思うんですけど、相手は必死に倒しに来た」と称賛。その予想外の善戦に、モンスターと言えども「ボクシングはそんなに甘くないと痛感しました」と語った。
次戦については9月にムロジョン・アフマダリエフと戦うと宣言もした。