網膜剥離を患っていたことを明かした田中 photo/Getty Images
世界最速の3階級制覇も達成した
日本人プロボクサー最速の5戦目で世界王者となった4階級制覇王者・田中恒成が引退を表明した。
田中は、岐阜・多治見市生まれの29歳。
16年12月には8戦目でWBO世界ライトフライ級、18年9月に12戦目でWBO世界フライ級王座獲得し、ワシル・ロマチェンコに並ぶ最速の3階級制覇を達成。そして24年2月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し4階級制覇も成し遂げた。
突然の引退の理由は目の疾患だった。田中は近年は網膜剥離を抱えながら競技を続けていた。会見では「ケガが全ての原因。前回の試合前から両目の調子が悪く、試合前から両目の手術をすることを決めて試合に臨んだ。しかし、試合が始まってすぐ右目が見えなくなり、3ラウンド目には光が消えた」とかなり悪い状態だったことを明かした。
続けて「試合後、手術をし両目で焦点を合わせることができなくなった。次、試合をすれば失明する。リングへ上がる道がなくなり、引退を決めた」と説明した。「達成できなかった目標もあるので、悔しさはあるがあの時こうしておけば良かったなという思いは1つもない」とも語った。
目の状態について、日常生活を送る上では問題ないという。そして今後についてはまだ決めかねているが、田中は「ボクシングに関わっていきたい」と述べた。偉大な最速記録を打ち立てた田中の第二の人生がここからスタートする。