ユナイテッドの監督を務めたファン・ハール氏 Photo/Getty Images
補強失敗に怒り
元マンチェスター・ユナイテッド監督のルイ・ファン・ハール氏が、古巣の移籍方針に対して痛烈な批判を行った。『Sky Sports』のインタビューに応じたオランダ人指揮官は、同クラブがフットボールよりも商業面を優先してきたことが、近年の低迷に直結していると語った。
「彼らはフットボールクラブではなく、商業クラブだ。私は以前からそう言ってきた」と断言。「監督が補強の決定権を持たない状況では、結果を出すのは極めて難しい」との考えを示した。
ファン・ハール氏は2014年にデイヴィッド・モイーズの後任としてユナイテッドの監督に就任。就任初年度にはアンヘル・ディ・マリア、アンデル・エレーラ、ルーク・ショーらに1億5000万ポンド以上を投資したが「本当に必要としていた選手は一人も獲得できなかった」と後に明かしている。
「ユナイテッドはリーグ制覇に必要なクオリティを持っていなかった。平均年齢も高く、私が若返りを提案し、必要な選手名を提示した。だが一人も来なかった。結果、リストの7番手や8番手に手を出さざるを得ず、しかも高額で買わされる。その責任を監督が取らされる」と怒りをにじませた。
「金はあるはずなのに、必要な選手を獲れない。“最もリッチなクラブ”なのに、だ」とも発言。
さらにファン・ハール氏は、ライバルクラブの手腕を称賛。リヴァプール監督のアルネ・スロットを引き合いに出し「彼は自らの希望を技術部に伝え、それに基づいて補強が行われている」とし、ユナイテッドも他クラブのように首脳陣が監督の戦術とビジョンを尊重すべきだと主張した。
73歳の名将が口にしたのは、単なる過去の恨みではない。マンチェスター・ユナイテッドが低迷を抜け出すためには、根本的な体制の見直しが求められている。