フランス代表はネーションズリーグを3位で終えた photo/Getty Images
ムバッペがキャプテンとなったところから空気が変わったとも
8日にUEFAネーションズリーグ3位決定戦でドイツを2-0と撃破したフランス代表。準決勝ではスペインに敗れたものの、タレント力は今でも世界トップクラスだ。
しかし、昨年のEURO2024あたりから不穏な話題があるのも事実だ。話題の中心にいるのは、エースのFWキリアン・ムバッペだ。
ムバッペは2023年より代表のキャプテンを任されており、それは今月のネーションズリーグでも変わっていない。しかしフランス人ジャーナリストのロマン・モリーナ氏は、代表の空気感が良くないとも指摘している。
「カメラの前では順調に見えるが、その舞台裏は複雑だ。互いにあまりコミュニケーションを取らないのだ。代表が機能しているときはそれでもいいが、上手くいかない時も選手たちは気にもしていない」(『Le10Sport』などより)。
ムバッペは昨年11月にフランス代表のメンバーから外れ、一時は代表引退もあり得るのではと騒ぎになったこともある。同氏はこの問題も完璧には解決されていないと見ていて、「ムバッペを支持するチームメイトはほとんどいない。どこにでも対立がある」と指摘している。
その後は代表チームで再び中心選手となっているが、それにも微妙な空気感があるという。
「PSGでのムバッペは好きなようにプレイしていいと言われていたが、CLを制することはできなかった。今季のレアル・マドリードでも同じだ。そしてフランス代表でも自由を与えられているが、何も勝ち取れていない」
同氏はこのように続けているが、ムバッペは2018年のワールドカップ・ロシア大会を制している。ただ、当時はムバッペというよりアントワーヌ・グリーズマンが中心だった印象が強い。ムバッペはまだブレイク途上にあるヤングスターとの立ち位置だった。
今では誰もが認めるワールドクラスの選手となり、フランス代表でも中心だ。2022ワールドカップでも準優勝に導くなど貢献度は抜群であり、これに文句をつけるのは気の毒にも思える。
しかし今季はムバッペの抜けたPSGがCLを制するなど、何とも言い難い出来事があったのも事実。スター選手が多すぎてチームを1つにまとめるのが難しいのだろうが、フランスは2026ワールドカップへ1つになれるだろうか。