厳しい結果となってしまったリーベルプレートの選手ら photo/Getty Images
厳しい結果となった
アメリカで開催されているFIFAクラブワールドカップ2025もグループステージが終わり決勝トーナメントに突入。決勝トーナメントには欧州から9チーム、南米4チーム、北中米2チーム、アジア1チームが進出。
『The Athletic』は今回の結果を踏まえアルゼンチンサッカーの現状について言及。「ボカとリーベルは多くのファンを持つが、アルゼンチンの金融危機の影響で財政的に苦境に立たされている。特にスポンサーやマーケティングからの収入は、より優秀な選手を獲得し、給料を払う余裕のあるブラジルのビッグクラブと比べて低い。ブラジルサッカーにはプロ化の波が押し寄せているが、アルゼンチンではそれがまだ再現されていない」とブラジルサッカーと比較し、現状後退していることに触れていた。
ただ、それでも大きな危機感を抱く必要はないという。昨年に南米版ヨーロッパリーグとも言えるコパ・スダメリカーナでアルゼンチンのクラブ、ラシンが優勝したこと、そして現在無敵のアルゼンチン代表チームの成功例を挙げ、現状ブラジルとアルゼンチン両国のサッカーに大きな差がないと言及。とはいえ、今回のアメリカでの2クラブのパフォーマンスは考えさせられるものがあるとし「ブラジルのクラブは、南米とヨーロッパの差を縮めている一方で、ボカとリーベルはスタンドで熱狂的な歓声を上げているにもかかわらず、その差は全く縮まっていない」と指摘した。
またアルゼンチン『Tyc Sports』はこの『The Athletic』の記事を引用した形で同じく自国のサッカーの現状について触れており、「アルゼンチンサッカーにとって大きな後退」という見出しをつけ、「ボカとリーベルはコパ・リベルタドーレスで10回の優勝を果たしているが、その輝かしい歴史だけで満足するのもそう長くは続かない」と言及。「抜本的な変化がなければ、アルゼンチンのサッカーはますます国際的な脚光を浴びなくなる危険性がある」と危惧した。
今回敗退したボカとリーベルは言わずもがな南米を代表する強豪であり、お互いがライバル関係にあることから両チームの対戦は「スーペルクラシコ」という名前で有名である。知名度も、実力もある両チームの今回の結果には危機感を持ったようだ。