かつてはユヴェントスに在籍していたハイセン photo/Getty Images
今やレアル所属の実力者に
これは結果論では済まされないか。今夏にボーンマスからレアル・マドリードに移籍した20歳のDFディーン・ハイセンは、すでにワールドクラスのセンターバックとの評価を手にしつつある。
そんなハイセンは、2022年から2年間ユヴェントスに在籍していたのだ。ユヴェントスのセカンドチームなどで経験を積み、2023年にはトップチームデビューを果たした。当時まだ10代だったとはいえ、その時からポテンシャルはあった。しかし、ユヴェントスはハイセンをトップチームの主力には据えなかった。
2024年にはローマにレンタル移籍し、同年にはボーンマスに完全移籍している。そして今夏レアルにステップアップしたわけだが、ユヴェントスの動きについては名将ファビオ・カペッロ氏も苦言を呈している。
「ユヴェントスが彼の明確なポテンシャルに気付かなかったことに驚いている。ハイセンは何も突然優秀になったわけではない。20歳の段階でマドリーでプレイしているのだから、ユヴェントスでも十分に通用したはずだ」(『Gazzetta dello Sport』より)。
ユヴェントスは2024年にハイセンをボーンマスへ売却したが、移籍金は約1900万ユーロだ。それ以降のユヴェントスはピエール・カルルの獲得に総額1730万ユーロ、ニューカッスルからロイド・ケリーを2000万ユーロ、レナト・ベイガのレンタル料400万ユーロ、ヴェローナから獲得したフアン・カバル(1280万ユーロ)も含めるなら、ユヴェントスは5000万ユーロ以上をセンターバックの補強に費やしてきたことになる。
ハイセンを手放した額よりもコストがかかっており、『Forbes』は明確なミスと指摘している。
似たようなケースとして、現在トッテナムに在籍するアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロもそうだ。ユヴェントスは2019年にジェノアからロメロを獲得したが、結局トップチームでは起用しないままアタランタに売却。その後ロメロはトッテナムに渡り、実力派センターバックとして評価を高めることになった。
ユヴェントスにもブレーメルやフェデリコ・ガッティなど優秀なセンターバックはいるが、怪我にも見舞われた。ハイセンやロメロをあっさりと手放してしまったのは後悔が大きいか。