マンUを喰らったグリムズビー Photo/Getty Images
下部リーグクラブの気合いは半端ない
カラバオカップ2回戦で、マンチェスター・ユナイテッドはリーグ2(英実質4部)のグリムズビー・タウンと対戦。2-2の末のPK戦はキッカーが一巡する激戦となったが、PK11-12と敗れてしまい、大金星を献上した。
歴史的な敗戦と英タブロイド紙はこぞって報じたが、プレミアクラブが4部クラブに“喰われた”のはもちろんこれが初めてではなく、長い歴史のなかで大番狂わせはたびたび起きている。
12-13シーズンのリーグカップでは、当時4部のブラッドフォードが準々決勝でアーセナルと対戦し、PK戦の末に4-3と勝利。アーセナルはバカリ・サニャ、ジャック・ウィルシャー、サンティ・カソルラ、アーロン・ラムジーなどがスタメンで出場していたが、16分に先制弾を被弾。88分にようやくトーマス・フェルマーレンがヘディングで同点弾を挙げたが、延長戦でも決着つかずPKで敗れた。ちなみに現指揮官ミケル・アルテタは、この試合でベンチに入っていた。
ブラッドフォードは快進撃を見せ、準決勝でもアストン・ヴィラを合計スコア4-3と破って決勝進出。決勝ではスウォンジーに0-5と敗れたが、爪痕を残した大会となった。
また、19-20シーズンのリーグカップではトッテナムが4部クラブに敗れている。3回戦でコルチェスターと当たったトッテナムだったが、控え組主体で臨んだ試合は主導権を握れず、やはり試合はPK戦へ。クリスティアン・エリクセンとルーカス・モウラが失敗し、トッテナムは大会から姿を消した。
22-23シーズンのFA杯では4部スティブネイジがアストン・ヴィラに大金星。前半に先制しながらも後半43分にPKで追いつかれ、45分に逆転弾を被弾。
下部リーグのクラブにとって、名のあるプレミアクラブとの対戦は名を売る絶好のチャンスで、選手、監督、そしてサポーターたちも燃え上がる。グリムズビーのデイビッド・アーテル監督は試合前に気合い十分で「素晴らしいテストになる」「ワクワクする試合だ」と発言。選手たちを鼓舞していた。
また、『THE Sun』によると、グリムズビーのサポーターたちはこのゲームのチケットを手にいれるために徹夜で並び、当日もスタジアムにはチケットを手に入れられなかったサポーターたちがあふれたという。わが町でプレミアクラブを喰ってやろうという気合いは相当なもので、こういった熱狂が大番狂わせを生み出す一因となっているようだ。