マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督 photo/Getty Images
ユナイテッドのお株を奪うカウンターだった
プレミアリーグ第4節マンチェスター・シティ対マンチェスター・ユナイテッドのマンチェスターダービーが行われ、結果は3-0でホームチームが白星を挙げた。
このダービーでのシティの戦い方はこれまでの試合とは異なるものだった。
今季のプレミア第4節を除いた直近5試合のマンチェスターダービーではすべての試合でシティがボール保持率で上回っている。これはプレミアでの試合もそうで、ウルブズとの開幕戦、2節トッテナム戦、3節ブライトン戦でもそうだった。
シティが保持を捨てて守りに入ったのは、前半に中盤でのボールロストが目立ち、ショートカウンターを受ける場面が多かったからだろう。珍しくロドリのミスが目立っており、相手のクオリティが高ければ、失点していた可能性もある。
この保持を捨てた戦い方は今季のシティの1つの軸となるのかもしれない。エデルソン・モラレスの退団、そしてビルドアップでの貢献がそれほど見込めないが、守備では頼りになるアブドゥコディル・クサノフの右SB起用など、後方からの繋ぎは以前ほどのクオリティはないものの、クサノフはカイル・ウォーカーと比肩する守備力の持ち主であり、新加入GKジャンルイジ・ドンナルンマも言わずもがなだ。
この戦い方で良い影響を受けるのはアーリング・ハーランドで間違いないだろう。ダービーでの3ゴール目がまさにそうで、彼のスピードはカウンターで最も生きる。
一方で課題もあり、それはユナイテッド戦でも出ていた。それが自陣に押し込まれ、ゴールキック等でマイボールになった際のビルドアップでの前進だ。
もちろんロングボールも選択肢の1つだが、いくらハーランドにサイズがあろうとすべてのボールを収められるわけではない。前述したように後方からの繋ぎは精度が落ちており、ロドリが不調で中盤でのボールコントロール力も失っている。ジャック・グリーリッシュのような単独でボールを進められる選手はジェレミー・ドクくらいしかいない。
これまでは保持する側のシティだが、世代交代を進める中で、保持を捨てる選択肢も出てきた。以前のようなプレス回避に長けたチームではなくなっており、保持に回った場面でどのような活路を見出せるのか、次節アーセナル戦でのペップ・グアルディオラ監督の采配に注目したい。