バイエルンよりもリヴァプールを選んだヴィルツ Photo/Getty Images
フィットしきれないと指摘されるヴィルツだが
今夏、ブンデスリーガのクラブからプレミアリーグのクラブへ何人かの選手の流出があった。プレミアリーグは現在、プレイレベルで見ても経済的なレベルで見ても世界最高と言ってよく、ブンデスリーガだけでなくトップレベルの選手たちはプレミアリーグへ行くことが多くなっている。
しかし、バイエルン・ミュンヘン元会長カール・ハインツ・ルンメニゲ氏はこれに異を唱えた。独『WELT』がコメントを伝えている。
「正直に言って、フロリアン・ヴィルツには今でも同情する。この選手はリヴァプールよりもバイエルン・ミュンヘンにいる方が良いと思うからだ」
「(バイエルンは)ヴォルテマーデを獲得することもできたはずだ。しかし、FCバイエルンとしては、あらゆる財政上の狂気に乗らない方が賢明だと言わざるを得ない。私はいつもこう言ってきた。スポーツでの成功は望むが、そのためには真剣かつ堅実な資金が必要だ。私たちにはトップチームがある」
今夏バイエルンへの移籍も噂されていたヴィルツは、ヴァンサン・コンパニ監督と実際に会い意見を交わしていたという。しかしヴィルツが選んだのは最終的にバイエルンではなくリヴァプールだった。ヴォルテマーデにも関心を示していたが、結局同選手はニューカッスルを選択している。
ルンメニゲ氏の上記の発言は「負け惜しみ」にも聞こえると英『Daily Mail』は伝えている。
ヴィルツはプレミアリーグで未だ得点もアシストもなく、おそらくルンメニゲ氏の発言はこのことを指していると思われる。フィットしきれていないとの指摘も多く、少なくとも数字で見ると今のところ移籍が成功だったとは言い難い。しかし数字がついてきていないだけで、チームはここまで今季全勝、ヴィルツのチームメイトとの連携は改善もみられる。
バイエルンにもレヴァークーゼンにも所属歴がある元ドイツ代表のミヒャエル・バラック氏は「絶対的なトップ選手にとって、ブンデスリーガはもはや魅力的なものではなくなった」と『Sport Bild』で発言している。プレミアクラブの札束攻勢が激しいのは事実だが、ルンメニゲ氏はこうした状況に納得がいかないのかもしれない。