マルシャル、S・ラモス、ハメス、K・ナバス、メキシコになぜ実...の画像はこちら >>

モンテレイでプレイするS・ラモス photo/Getty Images

欧州で活躍してきた選手を巧みに引き抜いている

昨今の移籍市場では圧倒的な資金力を持つサウジアラビア勢の活発な動きが目立っていて、世代問わず優秀な選手がサウジへ向かっている。

それに並び、アメリカ・MLSも主な行き先の1つだ。

今夏もソン・フンミン、トーマス・ミュラーなど欧州5大リーグで活躍してきたベテラン選手がアメリカへ向かっていて、MLS人気も健在と言える。

しかし、もう1つ見逃せない勢力がある。MLSとの関係も近いメキシコ・リーガMXだ。

メキシコ勢も欧州でプレイしてきた実力者を巧みに引き抜いていて、クラブ・レオンは昨年にコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスを獲得。

今夏も積極的な動きを見せていて、マンチェスター・ユナイテッドでもプレイしたフランス人FWアントニー・マルシャルが400万ユーロでモンテレイへ、プーマスはアーセナルなどでプレイしたウェールズ代表MFアーロン・ラムジー、レアルやパリ・サンジェルマンでプレイしてきたGKケイロル・ナバス、パチューカはレアル・ベティスからポルトガル人MFウィリアム・カルバーリョ、ティグレスはアトレティコ・マドリードからFWアンヘル・コレア、モンテレイは元スペイン代表DFセルヒオ・ラモスとも契約を結んだ。

今夏最もお金を使ったのはクラブ・アメリカの2160万ユーロとなっていて、リーグ全体での補強額そのものは決して高くない。しかし、欧州トップリーグでプレイしてきた実力者を巧みに引き抜いている。

仏『Foot Mercato』は、この動きの背景にアメリカ投資ファンドがいると取り上げている。MLSのフランチャイズ価格が高騰を続けていることもあり、より手頃ながら潜在能力の高いメキシコのクラブに投資するところが増えているというのだ。

北米ではリーガMXの人気も高く、アメリカ国内ではMLSよりリーガMXの方が視聴率が高く出ることも少なくない。さらにMLSとリーガMXのクラブが対戦するリーグ杯も開催されていて、こちらも注目度が高い。

リーガMXに所属するケレタロの新オーナーとなったマーク・シュピーゲル氏は「世界20以上のリーグを検討したが、最も成長の可能性を秘めているのはリーガMXだ。
メキシコ国内だけでなく、アメリカでも非常に人気が高い」とリーガMXのポテンシャルを高く評価している。

元よりメキシコのクラブは選手たちの基礎技術がしっかりしていて、自国の選手もテクニシャンが多い。そこに欧州のトップを知る経験豊富な選手を加えることで、チームはさらに厚みを増す。北中米ではアメリカだけでなく、メキシコ・リーガMXの動きも見ていく必要がありそうだ。



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