インドや中国市場を見据えていた? トニー・シア政権下ヴィラの...の画像はこちら >>

激動の時代をくぐり抜けたヴィラ Photo/Getty Images

夢物語の破綻

アストン・ヴィラの現在の成功からは想像もできないが、中国人実業家のトニー・シア氏がオーナーだった時代、クラブは経営危機に瀕していた。2016年にランディ・ラーナー氏からクラブを買収したシア氏は、自身がビリオネアであると主張し、ファンは再出発の機会だと期待した。



『talkSPORT』によると、シア氏の壮大な計画には、サッカー観光客を誘致するためのフットボール博物館やテーマパークの建設、特に中国やインドからの観光客をターゲットとする構想があった。また、アカデミーへの中国人の若手選手の獲得も提唱していたという。

しかし、中国から英国への資金移動の問題が報告されるなど、シア氏の経営にはすぐに懸念が生じ始めた。クラブは400万ポンドの納税期限を逃し、解散命令の危機に直面。元CEOのキース・ワイネス氏の解雇を巡る騒動も発生した。

最終的にシア氏は50万ポンドを拠出して目前の危機を回避し、その後ナーセフ・サウィーリスとウェス・エデンスというビリオネア投資家が率いるNSWEグループへ株式を売却した。シア氏がクラブを離れた後、ヴィラはすぐにプレミアリーグへ昇格し、ウナイ・エメリ監督の下でチャンピオンズリーグに出場するなど、強豪へと成長を遂げた。

しかし、もしシア氏の挑戦が結実していたなら、クラブはどのような未来を歩んでいたのか。そう想像してみるのも一興だろう。

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