史上最高ウインガーの名誉回復へ Photo/Getty Images
揺れる殿堂の価値
プレミアリーグ史上最多となる13回の優勝を経験した伝説、ライアン・ギグス氏のリーグ殿堂入りを巡り、2026年に入り再選出を求める声が最高潮に達しているようだ。『The Times』が伝えている。
同氏は本来、2020年にアラン・シアラー氏とともに初代殿堂入りメンバーとして選出される予定だった。しかし、家庭内暴力の容疑が浮上したことを受け、リーグ側が水面下で決定を撤回。代替としてティエリ・アンリ氏が選ばれるという異例の経緯をたどった。2023年に無罪が確定した現在も、リーグはギグス氏を殿堂リストから外したままとなっている。
この対応に対し、ファンやメディアからは「一貫性を欠いている」との批判が相次いでいるという。実際、殿堂入りを果たした顔ぶれには、人種差別発言で出場停止処分を受けたジョン・テリー氏、飲酒運転で実刑判決を受けたトニー・アダムス氏、さらにはリオ・ファーディナンド氏やエリック・カントナ氏など、過去に重大な問題行動や長期出場停止を経験した人物が名を連ねている。容疑が晴れたギグス氏のみが排除され続けている現状を受け、代理人がリーグ側と公式協議に入ったことも明らかになった。
ジャーナリストのサム・ピルガー氏は「ギグスが殿堂入りしない限り、この制度そのものが恥ずべきものになる」と厳しく批判。一方で、兄の妻との不倫関係など過去の私生活を理由に「殿堂の権威を守るべきだ」と主張する反対意見も根強い。
現在までに26名が殿堂入りしているが、通算162アシストという前人未到の記録を打ち立てた“魔術師”の名は、いまだ刻まれていない。リーグが次に下す判断は、フットボール界における「功績」と「倫理」の線引きを問う、重要な試金石となりそうだ。

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