ユナイテッドのオーナーのグレイザー Photo/Getty Images
影の支配者が操る「責任転嫁」
マンチェスター・ユナイテッドの経営権を巡る権力闘争が、新たな局面を迎えている。2年前にクラブ株式27.7%を取得したサー・ジム・ラトクリフだが、その参入は「変革の象徴」という当初のイメージとは裏腹に、実態としてはグレイザー家に巨額の資金を注入し、失政の批判を引き受ける役割にとどまっている可能性が浮上している。
先日のフルアム戦を前に、ファン団体「The 1958」が大規模な抗議デモを計画したが、その矛先はもはやグレイザー家だけには向いていない。マンチェスター出身の共同オーナーであるラトクリフに対しても、「クラブの現実を理解していない」と断じる声が上がり、道化師のマスクを被って抗議するサポーターの姿は、ピッチ外の混乱を象徴する光景となった。アストン・ヴィラ戦のチケットが300ポンドを超える価格で転売される現状や、新スタジアム構想が「自己満足のプロジェクト」と批判される状況は、かつて救世主と見なされた人物への期待が急速に失われつつあることを示している。
一方で、実権を握るジョエル、アヴラムの両グレイザー兄弟は、依然としてクラブの中枢に君臨している。オマール・ベラダCEOをはじめ「クラス最高」と評される経営陣を前面に据えながらも、重要な意思決定の場には必ず一族が関与する体制を維持。マイケル・キャリック監督の就任時には、兄弟自らがキャリントンを訪れ、その影響力を誇示した。ルベン・アモリム前監督退任時にフロントが沈黙を貫いたことも、結果的にはフロリダに拠点を置く彼らにとって都合の良い展開だったと見られている。
この構図は、スポーツクラブを純粋な競技体ではなく、投資対象として扱うアメリカ型ビジネスモデルの象徴とも言える。ラトクリフが掲げた郷土愛と改革の物語は、皮肉にもグレイザー家の支配を安定させるための「盾」として機能しているのが現実だ。スタジアムがどれほど豪華なものへと生まれ変わろうとも、その中心にフットボール文化への敬意が欠けている限り、オールド・トラッフォードの魂が本当の意味で戻ることはないだろう。

![ワールドサッカーダイジェスト 2024年 9/19 号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61iNZutK1hL._SL500_.jpg)




![[ミズノ] フットサルシューズ モナルシーダ NEO SALA CLUB IN ホワイト/レッド 26.5 cm 3E](https://m.media-amazon.com/images/I/51KyBx5v2JL._SL500_.jpg)

![[ミズノ] フットサルシューズ モレリア TF ブラック/ホワイト 26.5 cm 2E](https://m.media-amazon.com/images/I/41P+itybOvL._SL500_.jpg)


