ディーニュの激しいタックルはイエローカードと判定された Photo/Getty Images
やはり正確に判断することは重要だ
2018年のロシアW杯で正式導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)はすっかりおなじみとなった。プレミアリーグでは19-20シーズンから正式に導入されている。
一方で、VARに異を唱える者も少なくないようで、「試合のスピード感が殺される」「試合が面白くなくなる」「結局、人為的ミスによる誤審が起きている」などの批判も絶えることがない。
しかしVARがなかったら、どうなっているだろうか。米『ESPN』は「VARがなければ本当にサッカーは面白くなるのか」と疑問を呈した。イングランドではFAカップの4回戦が行われているが、同大会でVARが導入されるのは5回戦から。しかし4回戦で、VARがあれば避けられた怪しい判定がいくつか起きていることを指摘した。
明白だったのはニューカッスル対アストン・ヴィラの試合だ。ヴィラは14分にタミー・エイブラハムのゴールで先制したが、もしVARがあればこのゴールは取り消されていた可能性が高い。エイブラハムは明らかにオフサイドポジションにおり、現在プレミアリーグで導入されている半自動オフサイド判定システムであればオフサイドと判定していただろう。『ESPN』はヴィラのDFヴィクトル・リンデロフが副審の視線を遮る位置にいたことを指摘している。
また、42分にはヴィラDFリュカ・ディーニュがニューカッスルのジェイコブ・マーフィーに猛スピードでタックルを仕掛け、マーフィーのスネを削るというプレイがあった。クリス・カバナー主審の判定はディーニュへのイエローカードだったが、ディーニュのタックルはボールに触れておらず、激しさとコントロールの欠如からレッドカード相当であった可能性が高い。VARがあれば、オンフィールドレビューを行うことで当該のシーンをカバナー主審は見返すことができていたはずだ。
同メディアはマンチェスター・シティ対サルフォード・シティの一戦でオマル・マルムシュのゴールがオフサイドで取り消されたシーンも怪しかったと伝えている。シティもニューカッスルも勝利したため大きな問題にはならなかったが、もし敗れていたら両クラブのファンはそれでも「VARは退屈だ」と言うだろうか。
VARの運用において「時間がかかる」という部分は前述の半自動オフサイド判定システムなどで軽減されつつある。また、プレミアリーグではオンフィールドレビューを行う際に、状況をマイクで説明するようになったなど、より透明性を高めつつある。今回のFA杯4回戦では、VAR導入の意義を再確認できたと言えるかもしれない。

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